今回は、狭い部屋を広くなって使いやすくなる!部屋に模様替えするためのコツ4つを、相談実例を使ってご紹介します。皆さんは、お部屋が狭いのは、狭い間取りのせいで仕方ないと思っていませんか?しかし意外にも、多くの方は家具の配置ミスから、部屋を狭く使っていることが多いのです。
1. 人の動く「動線」には、家具を置かない
ご相談にいらしたAさんは、40代女性、家族構成は、ご夫婦と中学生の息子さんがいらっしゃいます。
家の間取りは、LDK+和室・洋室・寝室の4LDK。都心に近い、木造3階建ての築15年の戸建て住宅です。
「リビングダイニングが狭いので何とかしたい!」という、お悩みでした。
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都心の戸建て住宅は、土地が狭小になりやすく、そのため、各階の面積が小さくなりがちです。
Aさんのご自宅も例外ではなく、2階リビングが小さく、また約2.45m×5.25mと細長いため、たいへん使いにくい形をしています。
LD間取り図を見てください。
赤の矢印で示したものは、人が動く「動線」です。
この動線ですが、動線同士がぶつかったり、またはなにか障害物が置いてあると、当然ですが不便です。
そして、お部屋の印象を、実際以上に狭くします。
階段からリビングダイニングへ、またリビングダイニングから階段へ移動する赤い動線に、1人掛けチェアやマガジンラックがぶつかります。
こちらを通る際は、常に1人掛けチェアをダイニングテーブルにしまうなど、とても不便です。
またマガジンラックを移動しても、1人掛けチェアとキッチン壁が近いため、たいへん窮屈です。
2.「出窓」には、物を置かない
出窓の部分に、物を置いているご家庭も多いと思います。
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しかし、出窓は外壁から飛び出して取り付けられているため、外気温の影響をまともに受けます。
そのため寒い日は、室内側に結露を起こします。
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結露水はガラスを伝わり、サッシ枠にたまり、ダニ・カビの発生源となります。
出窓に物を置けば、この結露の被害を受けます。
出窓の結露は、サッシを断熱性能の高いものに交換しないと完全には防げません。
しかし、少しでも軽くするためには、出窓の手前に断熱カーテンまたは内窓(2重サッシ)をつけ、ガラス面に暖かく湿った空気が触れるのを防ぐのが効果的です。
LD間取り図を見てください。
こちらのケースでは、赤○で示した出窓の部分に物を置いています。
結露の被害はもちろんですが、出窓の手前には家具もあり、物を取り出しにくい状況でもあります。
3.「収納量の多い家具」を配置する
収納家具の選択を間違えると、面積ばかりとられて、思ったような収納量を確保できません。
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収納量が足りないと、物がうまく片付けられません。
こちらのLD間取り図を見てください。リビングチェストやシェルフなどの収納家具を、きちんと壁に配して並べられています。
しかし、どの収納も窓に向かって配置しているため、背の低い収納家具になっています。
そのため、設置面積をしめているのに、十分な収納量が確保できていない状況です。
また、緑○で示した家具は、壁に向かって配置しているため、背の高い棚を置くことができています。
しかし幅が57㎝と狭いため、同じく十分な収納量が確保できていません。
4. 部屋の「動線」を確認し、「家具」の種類・配置を見直そう
こちらのお部屋は、形が細長く、また窓や動線など、家具を置きにくい間取りが、狭さの原因になっていました。
そこで家具の種類・配置を見直し、問題点を改善してみました。
- 背の低いこまごました収納家具は高さのある収納にまとめ、空間をスッキリさせる。
- ダイニングテーブルは、壁際に寄せ、スムーズな動線を確保する。
- テレビは位置を変え、高さがミドルタイプのAVボード上に設置。
- 出窓に置いてあったものは、別の収納に動かし、またカーテンは分割して取り付け、断熱効果を高め、結露を軽くする。
上記の4つのポイントを意識すると、以下のようにお部屋がスッキリ広く、使いやすくなりました。
いかがでしたか?
今のお部屋が狭いと感じる人は、動線や、家具の種類・配置を見直してみてください。
いままであきらめていたお部屋の可能性に、気づくことができますよ。
(しかまのりこ)