結婚後も賃貸マンションで暮らしてきたHさん夫妻。予算内で中古の一戸建ても買えそうでしたが、夫は大のインテリア好き。好みの空間に変える予算が取れる中古マンションを買って、リノベーションすることにしました。夫妻は埼玉県志木市で見つけた専有面積69平米の物件を1850万円で購入。昭和56年築で築年数は36年の団地でしたが、管理が行き届いていてエレベーターもあり、ペット飼育がOKだったのも決め手になりました。リノベ予算は1000万円と決めていましたが、実際は少々予算オーバーの1200万円(税・設計料込み)となりましたが、大いに納得のいくリノベとなりました。

目次:

コンサルタントに頼まず予算は自力で算出!システムキッチンではなくオリジナルキッチンに変更!色でアクセントをプラスして、楽しい空間に

コンサルタントに頼まず予算は自力で算出!

LDK
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Hさんが家の購入を考えたのは、一戸建て新築物件の内覧会に参加したのがきっかけでした。しかし、その一戸建てを購入した場合、月収がローンの支払いだけでなくなってしまうことに気付いたそうです。
それが、“家を買う”という選択と、収入に見合った借り入れ金額について考えるよいきっかけとなりました。リノベ予算は自力で算出。「コンサルタントに頼まず、自分たちでローンの組み方や税金などの勉強をして、銀行にもたくさん行きました」(夫)、「保険付きのローンがあることなども知り、勉強になりましたね」(妻)。

キッチン

リノベーションは、リノベーション専門誌『リライフプラス』で知ったアズ建設に依頼。同社の事例の回遊性の高い間取りや、ラフなディテールが気に入ったのが理由でした。当初のプランで上がってきた見積もり額は予算内の980万円でした。

システムキッチンではなくオリジナルキッチンに変更!

リノベ前のキッチン

リノベ前のキッチン

既存では独立型に近いキッチンでしたが、ベランダ側のLDと和室をつなげてつくった広い空間の中へ移動。オープンなキッチンとしました。

キッチン
キッチン

当初の見積もりでは、キッチンはシステムキッチンの予定でした。しかし、自分たちの使い勝手や好みに合わせられるオリジナルキッチンに変更。コストが上がってもこだわりたかったといいます。
料理に集中できる壁付けのキッチンには「どうしても入れたかった」という3口のコンロを採用。コンロ下の引き出し式の収納には、よく使う鍋やフライパンが収納できるようになっています。同じく造作したカウンターの足元には照明が仕込まれ、あたたかな雰囲気を醸し出します。

パントリー

キッチンのあった場所にはパントリーとワークスペースを設けました。パントリーはキッチンに隣接し、家事動線もコンパクトです。

リビング

リビングでは、TVボードを既製品から造り付けに変更。無印良品のケースがぴったり収まるように造作しました。空間への馴染みのよさは、造り付けならではです。

インナーテラス

リビングにはインナーテラスがあります。愛犬・ショコラのハウスの定位置であり、室内干しにも大活躍。床の段差がベンチ代わりにもなり「外の木々が見えて癒やされます」(妻)。

サニタリー
リノベ前の洗面室

リノベ前の洗面室

洗面台もメイク道具などの収納計画を立てた上で造り付けにしました。造り付けに変更してコストアップした分は、床材をカラマツからリーズナブルなオークに変えるなどして調整。それでも予算オーバーした分が許容範囲だと判断できたのは、資金計画から取り組んできたおかげです。

色でアクセントをプラスして、楽しい空間に

玄関土間
玄関土間

玄関土間は左右に、端まで伸びています。土間の右側には自転車などを置き、左側にはアズ建設の施工事例を見て取り入れたかったというオープンなシューズクローゼットを造り付けました。

玄関土間

イエローとブルーのニッチは、柳宗理が手掛けた、横浜市営地下鉄の駅の水飲み場をイメージしたもの。空間のよいアクセントになっています。

廊下

ニッチの奥はキャンプ好きの夫妻ならではの収納スペースに。キャンプから帰宅後すぐに道具を片付けられるつくりにしました。

廊下

愛犬が自由に家の中を歩き回れるよう、ドアはLDKとトイレだけに設置。その他は必要に応じてロールスクリーンで仕切ります。右のロールスクリーンはWICの入り口です。

WIC

WIC内にはポールや棚板を設置し、使い勝手をよくしています。

WIC
寝室

WICの一部には有孔ボードを張り、壁面も有効利用。クローゼット内に湿気が溜まらないように壁の上部を抜いています。

寝室は1面だけアクセントウォールとして、温かみのある黄色を塗りました。

寝室

寝室のコーナーにはガラスを入れて明るさと開放感をプラス。窓際のカウンター収納は追加工事で設置したものです。無印良品のボックスが入るサイズで造作しました。

トイレ
トイレ

トイレは黄色をアクセントカラーに。おしゃれな波型の手すりはすべりにくく、握りやすいユニバーサルデザインでもあります。夫妻は、ともに40代。「リノベは今後の人生設計についても考えられる、よい機会になりました」と声をそろえます。

収入やお金の使いどころ、暮らし方の見直しの適期だったのかもしれませんね。

設計・施工/アズ建設
撮影/飯貝拓司
※情報は「リライフプラスvol.27」取材時のものです

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