住宅を購入する場合、10年後、20年後までの生活を考えて選んでいますか?例えば、子どもの成長。いまはまだ小さい子どもですが、その成長に合わせ、子育てしやすい間取りに工夫する必要があります。今回は、子どもの成長・家族の変化にあわせた、子育てしやすい間取りの工夫(前編)についてのお話しです。
目次:
1. 「乳児~幼児期」この時期は子どもと一緒のお部屋で休みましょう!2.「小学生」まだ個室を与えず一部屋を子どもの就寝スペースに!3.「思春期~受験期」個室を与え、一室で勉強と就寝ができるように!4.「大学生~社会人」子ども部屋だった部屋をフリースペースに!5.「独立~夫婦二人の生活」すべての子ども部屋を書斎や趣味の部屋に!1. 「乳児~幼児期」この時期は子どもと一緒のお部屋で休みましょう!
すべての画像を見る(全5枚)子どもが乳児から幼児の時期は、スキンシップが大切な時期です。
上の子、下の子それぞれに一部屋といった年齢ではないので、LDKと寝室が生活の主体となってきます。
マンションの3LDKなどでは、LDKに洋室または和室が隣接している場合が多いので、その場合は、LDKにベビーベッドを置き、洋室または和室に布団を敷いて親子3人で就寝することになります。
お父さんお母さんは、夜泣きなど大変ですが、少しの間と割り切って一緒のお部屋で休みましょう。
2.「小学生」まだ個室を与えず一部屋を子どもの就寝スペースに!
子どもが二人とも小学生の時期は、まだそれぞれに個室を与えず、一部屋を兄弟姉妹の就寝スペースとして利用します。
また学習スペースは、LDKの周囲など、両親の目が届くところに設ければ、家事や雑用の合間に、子どもの様子を見ることができます。
学習スペース・就寝スペースを子ども二人で使うことにより、思いやりや協調精神をはぐくみ、子どもの成長につながります。
工夫の一つとして、二段ベッドは、シングルベッドを2段に重ねたタイプの物を購入しましょう。
後で、子ども部屋を分けたときに、買い替える必要がなくなります。
同じ理由で、学習スペースに置く勉強机や椅子も、長く使えるよう、成長に合わせて高さが変えられるシンプルなものを選びましょう。大学生・社会人まで使えるものが、ベストです。
3.「思春期~受験期」個室を与え、一室で勉強と就寝ができるように!
小さな頃には両親のそばにいる時間が長かった子どもも、思春期になれば、それぞれのプライバシーに配慮しなくてはなりません。
また受験に備えて、集中して勉強できる体制を整えてあげましょう。
兄弟姉妹それぞれの部屋に、机とベッドを整え、勉強と就寝を一室でできるようにしましょう。
工夫の一つとして、子ども部屋のカーテンは、派手なキャラクターなど、子どもっぽいデザインのものは避けた方が無難です。
後でこの部屋を、別の家族が使ってもおかしくないよう、オーソドックスで丈夫なカーテンをオススメいたします。
また、この時点で住宅購入してから15年近くになっているので、マンションの場合は大規模修繕、戸建ての場合は第1回目の住宅補修・設備交換時期に来ています。
見た目は大丈夫だからといって、この時期にきちんとメンテナンスしないと、後で雨漏りなど取り返しのつかない事態になりがちです。
教育費もかかる時期ですが、修繕・交換・補修費用を、早いうちからきちんと積み立てておきましょう。
4.「大学生~社会人」子ども部屋だった部屋をフリースペースに!
子どもの成長は早く、受験や就活を終えると、大学生や社会人になります。
入学や就職先により、早い子では大学生になると家を出てしまいます。
子ども部屋だった部屋は、フリースペースとして、ほかの家族の書斎や趣味のお部屋として、自由に使うことができます。
5.「独立~夫婦二人の生活」すべての子ども部屋を書斎や趣味の部屋に!
子どもが社会人になり、それぞれの伴侶を見つけ世帯を持つと、夫婦二人の生活が待っています。
またご主人・奥様も定年を迎え、ゆっくりとした第二の人生を始める方も多いでしょう。
子ども部屋だったすべての部屋が空くことにより、フリースペースとして、書斎や趣味のお部屋にすることはもちろん、サロンや個人オフィスなどとして、お仕事をすることも可能です。
また、住宅購入後から30年近くたっているので、マンションの場合は大規模修繕、戸建ての場合は第2回目の住宅補修・設備交換時期に来ています。
今後も住み続けられるよう、退職金などを計画的に使い、住宅の修繕・交換・補修を行いましょう。
いかがでしたか?家族の成長とともに、家の間取りを工夫することで、家を買い替えなくても、子育てしやすい間取りにすることができます。
次回は、3LDK(71平米)マンションでの平面図をもとに、家族の変化にあわせた、間取りの使い方をお話しいたします。
(しかまのりこ)