日刊Sumaiで「丁寧な暮らしを楽しむ木の家つくり」を好評連載中のaipooowさん。
「シンプルに、丁寧に、暮らしを楽しみたい」と願うaipooowさん夫妻が建てた理想の家を、住まいの設計が取材しました。完成した住まいは、無垢のカラ松を張った床や群馬県産の無垢の杉板を使った階段のほか、水回りに用いたコルクの床、珪藻土の塗り壁など自然素材がふんだんに用いられているのが印象的です。
aipooowさん夫妻が家に込めたこだわりや、住み心地などを紹介します。
家族が楽しく快適に過ごせるアイディアが満載!
玄関から順番に見ていきましょう。
かわいいデザインのポストは、グリーンの外壁に映えるように赤系を選びました。
玄関土間は豆砂利を使って、自然の温もりをプラスしています。玄関収納には靴や夫の仕事道具、釣り道具などを収納。玄関収納と外のデッキを直線でつなぐことで、釣りから帰ってきた夫が玄関を抜けてデッキへ直行し、釣り竿などの道具を手入れできるようになっています。
リビングとの間仕切り戸は、日差しや人の気配が伝わるように、光を通すポリカーボネートを採用しました。
玄関には観葉植物や小物を飾り、季節を味わう憩いのコーナーにしています。
1階には、LDKを中心とした大空間が広がります。「居酒屋風に」という夫の希望で、ダイニングとは別にキッチン側に檜のカウンターテーブルを造り付け、掘りごたつのように座れるつくりにしています。カウンターの板壁は、べんがら色に塗ってアクセントをつけました。
畳スペースは子どもたちが昼寝をしたり、腰掛け代わりに使ったりと大活躍しているそう。畳の下は収納になっています。
キッチンは、畳スペースに向かって立つ対面式に。オール電化の家にしたので、コンロはIH調理器を採用しています。造作した背面収納には、ゴミ箱を置けるスペースをつくってもらったので、キッチンはいつもすっきりして使いやすいそうです。床には吸水性があり掃除もしやすいコルクを貼り、天井はグレーで空間を引き締め、個性的な印象に仕上げました。
木の家と馴染むように、カウンターのペンダントライトには、シェードに木をあしらったシンプルなデザインの照明を選びました。
ダイニングキッチンの近くには木製のデスクや壁面収納を造り付け、aipooowさん専用のデスクコーナーにしています。
LDKの一角にあるので、家事もはかどりやすいそうです。
デッキは2か所にあります。玄関やダイニングから出入りするデッキは物干し用、リビングの前のデッキは遊び場用に設け、家族の団らんスペースにもなっています。
脱衣室には、タオルなどをしまえる扉付き収納を造作しました。ワイドサイズの洗面台はオリジナルです。収納扉を兼ねた鏡はスライドでき、「使いたい位置で鏡が見られて便利」とaipooowさん。
サニタリーの横には、家族全員の服をしまえる大きなファミリークロゼットがあります。両側の壁にパイプや棚を造り付け、家族それぞれにコーナーを分けて収納できるようにしています。
子どもたちが思いっきり遊べる空間がいっぱい!
「圧迫感を出したくない」と、階段は蹴込み板を張らないスケルトンタイプを採用しました。階段下は子どもたちの遊び場にしていますが、階段自体も遊び場になっているそうです。手すりは子ども用と大人用に、高さの違う2種類を取り付けています。
2階は子ども室など、ほとんどのドアに明かり取り用のスリットガラスをはめ込んでいます。
光とともに、人の気配も廊下に伝わるので安心です。
2つの窓やロフトを設けた子ども室。将来は、梁の部分に壁をつくって2部屋に区切る予定ですが、今は大空間のまま遊び場にしています。
家づくりを終えたaipooowさんに、感想を聞いてみました。
「2階からでも家族を迎えられる吹き抜けや、釣り道具の手入れがしやすいデッキなど、憧れの暮らしができる木の家が完成しました! ときには子どもが無垢の床にお絵描きをしてしまうけれど、それはのびのび暮らす証しと割り切って。床は、ミツロウワックスでメンテナンスするつもりです」
木の家の暮らしを心から満喫している様子でした。
撮影/山田耕司
※情報は「住まいの設計2018年1・2月号」取材時のものです