自宅を計画する際に、一番最初に悩むのが間取りだと思います。「広くて明るいリビングがほしい」「家事のしやすい間取りにしたい」……、このように希望はつきないですね。家を建ててから「失敗した!」「欠陥住宅では?」と後悔する住宅は、実は間取りが原因になっていることが多いのです。今回は、筆者に寄せられる相談のなかで特に多い、「失敗間取り」についてのお話しです。
1.光熱費がかかりすぎの間取り
間取りのミスで多いのが「光熱費がかかりすぎる」間取りです。
「吹き抜け」「リビング内部の階段室」「出窓」は、そこに気積があるので、余計に光熱費がかかります。
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「うちは高断熱だから、光熱費は、さほどかかりませんよ!」というメーカーの言葉を信じて、吹き抜けを造ったけれど、寒いし暑いしで困っているという声をよく聞きます。
また、モデルルームなどでよく見かける、階段室や廊下に面した「フリールーム」は、広々として憧れますが、空間を広く見せるためのものであって現実的ではありません。
間取り図1をご覧ください。
こちらは相談に持ち込まれた間取り図です。リビングに流行りのスケルトン階段が配置されています。
1階LDKは19畳、階段室の気積は4畳、それに隣接して2階フリースペースが5.5畳、廊下2畳がつながっています。
つまり1階LDK19畳を冷暖房するのに、実際には30.5畳分の冷暖房を行っているということになります。
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実に11.5畳分もの光熱費が余計にかかることになります。
2.玄関ホールや廊下が広すぎる間取り
光熱費に続いて多いのが、「玄関ホールや廊下が広すぎる間取り」です。
玄関ホールは、ある程度の広さがないと家自体がみすぼらしく見えます。
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また廊下も、プライバシーの確保という点で最低限は必要です。
しかし、間取りによっては玄関を広く見せ、最低限必要な廊下の面積も変えられます。
こちらの図面はまったく同じ床面積で、間取りを変えたものです。
広すぎるホールが4.2畳から、ホール・廊下合わせて3畳になりました。
またホールを狭くしたぶん、リビングを広くし配置も変えたため、狭かったLDKは16.2畳から21.2畳と広くなり、家族のちょっとしたワークスペース(家事や仕事、勉強・工作をする場)を作ることが出来ました。
3.耐震的に問題のある間取り
家の耐震性は、構造計算上は筋交いや金物・壁量などによって決まってきます。
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しかし、建物の形によっては、その構造計算に影響を与え、また想定外の地震力に対し、力の偏心を起こし、その耐力を失いやすくなります。
一般的には、上下階がまったく同じ形の正方形や、短辺と長辺のさがあまりない長方形が地震には強く、凹凸のある間取りは力の偏心が起こりやすく、地震に弱いです。
4.雨漏りしやすい間取り
雨漏りは、一度発生するとその被害がジワジワと建物に広がっていきます。
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ですから、大工事になる前に早めに食い止めることがとても大切です。
雨漏りの原因となっている場所で多いのが、「トップライト(天窓)」「出窓」「バルコニー」です。
トップライトは、普通の窓に比べ3倍もの明るさを確保できるため、狭少住宅や隣地との空きがない住宅密集地には人気の窓ですが、本来は屋根であるべき場所に設置しているため、当然ですが雨漏りリスクが高くなります。
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また、バルコニーは、壁との取り合い部分や、床の防水納まりなどのミスから雨漏りのリスクが発生します。
IYO / PIXTA(ピクスタ)
「トップライト(天窓)」「出窓」「バルコニー」を間取りに組み入れるときは、施工実績の豊富な工務店に施工してもらうことが大切です。
いかがでしたか?住宅は、一生で一番高いお買い物であるだけでなく、家族を幸せに育み守るための住まいでもあります。
建ててから後悔のないように、間取りは熟慮を重ね、判断してくださいね。
(しかまのりこ)