どんな家に住むにしても、できるだけ広々とした、のんびりできる空間を確保したいですよね。物が少なくスッキリ片付いた、日当たりの良い部屋なら、時間もゆったり過ぎていきそうです。そんな贅沢な空間を望んでいた夫婦2人暮らしのMさん夫妻は、細切れに4つの部屋があった中古マンションをフルリノベして、ゆったりとした大空間が広がる2LDKに。そこには、部屋数が少なくても雑多なものを隠しスッキリ見せる工夫が沢山ありました。

目次:

高さのあるものを避け、天井や壁を楽しむ雑多なものを隠しスッキリとしたキッチンにほぼ全ての部屋のテイストを統一

高さのあるものを避け、天井や壁を楽しむ

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天井が高く、開放的なLDK。既存の内装をすべて取り除いた“躯体現し”という技法によって顕わになったコンクリートの壁と天井、そして吊りさげられたグリーンや照明が印象的です。「壁や天井が存在感のある仕上がりになったので、リビングダイニングにはなるべく高さのある家具を置かないようにして壁や天井の雰囲気を楽しんでいます。」
いつまで見ていても飽きないというMさん妻の大のお気に入りだそう。

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リビングにはソファを置かず、家具は床に直接座ってくつろげるようなものをチョイス。高さのある家具を避けることで、空間を広く開放的に見せています。

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LDKと廊下との間には、白く塗られた大容量の収納スペースが。他の廊下やリビングの壁に馴染むよう、わざとザラッとした質感に仕上げられています。大きな配管も空間に溶け込んで、インテリアのように見えてきますね。

雑多なものを隠しスッキリとしたキッチンに

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人一倍料理にこだわりを持っている妻の調理器具が並ぶキッチン。手前はダークグレーのタイルを張ったカウンターで隠し、リビングから洗剤などが見えないように配慮されています。

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キッチンから廊下へと続く動線は、パントリーとして使用されています。“裏路地”のイメージでデザインされたそこは、食材ストックや調理道具の量が多い妻にとって必須の空間。キッチンからも廊下からもアクセスできるので、非常に便利なんだとか。狭い通路にも収納を設置することで、自然と目隠しすることが出来るんですね。

ほぼ全ての部屋のテイストを統一

家のほとんどの壁と天井を躯体現しにしたので、内装も自然と壁や天井の素材感に合ったものになっています。

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結婚当初から使っている和箪笥は、引っ越し後、妻が白く塗装し食器などを収納。部屋の雰囲気にピッタリのオシャレなチェストです。

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洗面所の収納は、オープン棚にしてスッキリ見せています。ネイビーに塗装された壁と温かみの木材が、躯体現しの壁と上手くマッチしていますね!額縁の鏡もオシャレです。

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玄関近くに設けられた小上がりスペースは、引き戸を締め切ることで“こもり感”のある空間にも。設計士が洞窟のような空間を演出したかったという小上がりの周囲の壁は、モルタル仕上げ。和室なのに無骨なテイストは他の部屋とのバランスも取れています。

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小上がりの反対側には、ウォークインクローゼットがあります。風通しの良い場所に作りたいという夫妻の要望で、設計士はあえてプライベート空間が確保しにくい共用廊下に面した場所を提案したそう。

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当初は夫の書斎代わりとして使うことを考えていたそうですが、最近ではリノベして以来、DIYにハマっているという妻の趣味室になっているんだとか。「ペンキや木工道具などがどんどん増えてしまったんですが、それでもスッキリ暮らしていけるのは、このスペースがあるからでしょうね」と妻は語ります。生活空間をなるべく広く確保するために、構造に様々な工夫があるんですね。

壁や天井がコンクリートの「躯体現し」の家。ゴツッとした雰囲気に味があって、居心地が良さそうですよね。

プロデュース・設計:EcoDeco
写真:takuji iigai
※情報は「リライフプラス」取材当時のものです