快適に過ごすために買う、家具や食器。しかし間に合わせで買ったり、サイズが合わなかったりすると、結局使わずに捨ててしまうことも多いもの。
元「捨てられない人」から整理収納アドバイザーになったまいさんに、過去に捨てたけど買い直したものと、失敗しないためのコツを教わりました。
ソファ、テレビ台…捨てたけどまた買った5つのもの
●モノをため込んだ過去
買い物の失敗って多くの人が経験していますよね。私はほとんど使わないものや満足しないものを買ってしまうことがあり、そして捨てることが苦手でした。
子どもが産まれたことでさらにモノが増え、3LDKのうち2部屋を物置状態にしてしまったことがあります。
「片づけなければこの散らかった家に一生住むことになる」と危機感を覚えて一念発起。7年前に整理収納アドバイザーの勉強をしながら家を片づけました。理想の自分と暮らしをイメージして、引っ越すつもりで「新築にこれ持っていくかな?」と考えながら片づけをしました。
すべての画像を見る(全14枚)処分するものが大量にあり、一気に終わらせたかったので「トラック1台不用品回収」を依頼しました。
●環境の変化
家の中が片づき、モノと向き合ううちに「家」のいいところと悪いところがよく見えるようになってきました。引っ越すつもりで片づけをしたのですが、本当に家を買い替えることになったのです。
住環境が大きく変わり、子どもの成長にともなって暮らしに必要なものが変化していきました。
失敗買い物と片づけで多くのものを処分しました。買い直したものもあります。
どんなアイテムを買い直したのか、失敗談を聞いてください。
・ソファ
これまでになんと4回ソファを買いました。
1回目:結婚と同時に大きな白いソファを購入。小さなわが家には大き過ぎ、そして汚れが目立ってきました。長男が産まれてまもなく、ハイハイや遊ぶ場所を確保したくて物置へ。
2回目:次男が産まれ子どもたちがテレビを観るときの姿勢の悪さが気になり、小さめの安い合皮ソファを購入。すぐにあちこち凹み2~3年で処分しました。
3回目:小さな布製のソファを購入。ワンコと子どもたちに汚され、ウレタンもボロボロになってしまいました。
その後しばらくは買わずに過ごしました。
今思えば小さいのを買わずに、白いソファをきれいにふいて戻せばよかったと思います。「スペースがない=小さなソファを買おう」と思い込みましたが、片づければ置けたはずです。
新居は以前よりリビングが広く、くつろげる場所がほしくなりました。
高齢の両親が来たとき、床に座るのがつらそうだったこともあり、4回目の購入。
安物はやめようとカリモクの定番を選びました。部屋になじんでいます。
汚れがふきやすくヘタりにくいです。
・テレビ台
IKEAのテレビ台を使っていましたが180cmあり大き過ぎました。模様替えがしづらいのです。整理したら引き出しがスカスカになったのでほしい人に譲りました。
次におしゃれな、壁寄せスタンドタイプを購入。
気に入っていましたが、テレビやゲーム関係のアイテムを収納する家具が結局必要になりました。DIYでつくったり既存の家具に収納していましたが、引っ越してしばらくしてから買い直しました。
ISSEIKIのテレビ台を購入。
ルンバが下を通れることも条件でした。収納力・デザインともに理想的です。
・トイレマット
管理が面倒なのでトイレにマットを敷くことをやめました。
新居はトイレに手洗い場があり、手を拭くとき床に水が垂れるのが気になりますので、マットだけ設置することにしました。二枚用意して毎日取り替え洗濯しています。(毎日ならほかの物と一緒に洗濯しても気になりません)
スリッパは家族が履かずに踏んでしまうので、来客時だけ置いています。
・食器
大きな平たい丸皿とグラタン皿を、かさばるしほとんど使わないと思い処分。でも、両方ともじつは必要でした。
丸皿はギョーザ(フライパンから返すときにちょうど入るサイズ)、グラタン皿はスコップケーキをつくるときに使っていたことをすっかり忘れていたのです。
同じような大きさのものを買い直しました。
・キッチン排水口カバー
カバーがない方が掃除しやすいので、キッチン排水口カバーを取りました。(捨てずに保管)
まもなく、小さなカトラリーやパッキンなど紛失が多発!
排水口の網に落ちていることに気づかず、生ごみと一緒に捨ててしまったようなのです。
「カバーがある方が捨てにくいんじゃない?」という夫の言葉で復活。
前居ではカバーなしでも大丈夫だったので、シンクの造りにもよるかもしれません。
●失敗の原因
ソファやテレビ台がそうなのですが、よく調べずに買ったことがまず失敗の原因でした。価格が安いとか見た目で、サイズもはからずに勢いで購入していました。想像力もたりません。お得感やイメージだけで買い物をすると失敗しがちです。サイズや使い勝手、満足して使いきれるのか事前によく考えることで失敗を避けることができます。
今は家具だけでなく服や日用品も、長く使えるものを妥協せずに選べるようになりました。収納する場所、使うシーン、処分するときまでイメージして購入するようにしています。
本当に必要だと思うまで、もたない状態で過ごしてみることも多いです。
●捨てる前に考えること
片づけが乗ってくるとあれもこれも要らない気がして、どんどん捨ててしまうことがあります。「捨てハイ」です。
「捨てること」が目的にならないようにしましょう。「必要なものを残す」ようにすると前向きに片づけができます。理想の自分や暮らしをイメージすると判断しやすいです。
捨てる前にほかの用途はないか、直して使えないか考えてみましょう。
また思い出の品や愛着のあるもの、コレクションなどは買い直せないことがあるので慎重に。
●おわりに
多くを手放したときに「もうこんなにモノを捨てたくない」ととても悲しい気持ちになりました。ほとんど使っていないものを手放すことは、とくに心苦しかったです。
この経験でようやく、「必要なものだけ手に入れて使いきる」ことができるようになったのです。
もし私と同じような失敗を繰り返している方は、一度じっくりモノの持ち方について考えてみるとよいかもしれません。参考になればうれしいです。