気がつけば12月もすぐそこ。師走という言葉があるように、年末はなにかとバタバタしてしまいがち。
そこで、今のうちに行っておきたいのが「師走しごと」です。バタついて疲れたまま年を越さないために今からできることを、ラク家事を提唱する三條凛花さんに教えてもらいました。
“師走しごと”は秋のうちに始めたほうがいい理由。スケジュールの立て方
【この記事で紹介すること】 ・行事やイベントの多い12月を乗りきるために、今からはじめたいことについて ・コロナの影響で、クリスマスの外出を取りやめたり、例年は帰省する人たちも自宅で年越しするケースが多いはず。いつもと違う12月をスムーズに楽しく過ごすためのプランニングを紹介
年の暮れに近づくにつれて、どんどん忙しくなり、疲れが溜まってくる…。それは、ほかの月と同じように過ごしているのが原因かもしれません。
12月は、「やること」が増える月です。一般的なのは、片づけ・大掃除・年賀状づくり・クリスマス準備・年越し準備といった5つの作業。年末をゆったり過ごすためには、こうした“師走しごと”に早いうちから取り組むのが大切です。
今回は、師走しごとを早くはじめたほうがいい順番で紹介していきます。なお、「うちでは年賀状を出すのはやめた」というように、ご家庭によってやることの多さは変わってくると思いますので、取り入れられるところからぜひ参考にしてみてください。
(1) 大掃除がスムーズになる「超片づけ」
一般的に「大掃除」と呼ばれるのは、12月以降、家全体を念入りに掃除していくことかと思います。ただし、私の定義する大掃除は次の3つに分かれています。
「超片づけ」 今からできる家の各部屋の収納見直し 「コツコツ掃除」 12月20日頃をリミットとした掃除頻度の少ない場所のコツコツ掃除 「最終掃除」 大みそか(帰省する場合は自宅で過ごす最後の日)に行う、いつも通りの掃除
まず始めるべきなのは「超片づけ(ちょうかたづけ)」。これは私の造語。「大片づけ」だと語呂が悪かったので、呼びやすいネーミングにしています。
超片づけで行うのは主に3つのことです。
・粗大ゴミ探し
まずは、家じゅうを点検して、粗大ゴミを探しましょう。粗大ゴミは、申込みから回収まで時間がかかることが多く、12月に入ってからだと年内に捨てられないケースもありますので、優先的に捨てるものを確認してください。
・気になる場所の片づけ
粗大ゴミを探す過程で見つけた「散らかりがちな場所」を片づけていきます。「なにがどんなふうに散らかっているのか」を考えながら行うと、再び散らかるのを防ぎやすくなります。
・10か所片づけ
家の中から「10か所だけ」選んで片づけをします。
大切なのは、引き出し1段のような小さな単位を1か所に設定すること。家じゅうだとハードルが高く思えても、小さなスペース10か所分なら手軽に取り組めます。
10か所片づけが終わった時点で「やる気」を確認。そのまま片づけられそうなら、もっといろいろな場所を片づけていき、飽きたなら「コツコツ掃除」に進んでいきましょう。
(2) 年越し直前をゆったり過ごせる「コツコツ掃除」
次に行うのは、大掃除2つ目の「コツコツ掃除」です。12月20日頃をタイムリミットに設定し、掃除計画を立てましょう。
なるべく「いつもしない場所の掃除・手入れ」を行うのがポイントです。たとえば、床のワックスがけや、壊れたものの修繕・メンテナンス。シンク下のものをすべて出して拭き掃除をしたり、洗濯機をどけて掃除をしたり、クローゼットや押入れの中身を出して掃除するのもおすすめです。
こちらも「10か所」を目安にしましょう。目標数が具体的に決まっていると取り組みやすく、しかも、すっきりと終わることができます。
(3) ギリギリ投函をやめられる「年賀状したく」
ようやく書き終えた年賀状を投函するのは大みそか――。数年前までは、これが私の習慣でした。でも、今は違います。年賀状の準備を分解して、ゴールを決めているからです。
年賀状の準備は、5つのステップに分かれます。
1.誰に出すのかを決める(住所変更の確認、住所リストの作成など)
2.はがきのデザインを決める(デザイン決め、写真の用意、家族への相談など)
3.年賀状をつくる(自作または業者への依頼)
4.宛名書きをする(自分で書く、印刷する、業者に依頼する)
5.コメントを書く
おすすめは12月15日までに終わるようにスケジュールを組むこと。この日が、例年の年賀状の受付開始日となります。予定がずれてしまうことも考えて、早めに終わるように決めていきましょう。
年賀状じたくは早ければ早いほどよく、とくに業者に注文する場合、早割が適用されるケースも。
手書きコメントを添えたい人におすすめしたいのは「ハッピーニュース」をピックアップすること。今年1年間、各月で3つのハッピーニュースを探してみてください。楽しかったこと、うれしかったこと、子どものイベント、その時期にハマっていたことなどです。
これを書き出してみると、相手に合わせて違ったコメントを書きやすくなります。なにより、自分が楽しく、また、1年の振り返りもできるので一石三鳥の師走しごとです。
(4) 焦らず思い出に残る「クリスマスじたく」
クリスマスの過ごし方は、家庭によって大きく変わってくると思います。
決めるべきことや予約するべきことを、だいたい網羅すると5つに分けられます。
1.クリスマスの飾りつけ(クリスマスツリー、リース、壁面など)
2.クリスマス付近の予定(ディナーやコンサート、ホームパーティー、お出かけなど)
3.クリスマスケーキ(手づくり・もしくは発注)
4.クリスマス当日の料理
5.クリスマスプレゼント
季節行事やイベントは、よく「丁寧な暮らし」に位置づけられます。でも、ハードルが高く感じられるのは、こうしたこまごましたことの多さが原因。逆に言うと、なにをいつまでにやればいいかが決まっているだけで、ぐっと動きやすくなります。
やるべきことを知る。じつは、これがスタート地点です。
(5) プチストレスがなくなる「暮れじたく」
多くの人が休みになる年末年始。あらゆることが普段とは変わってきます。ちょっとした困りごとをなくすためには、事前の調べ作業と買いものが大切です。
・各種営業日の確認
医療機関、スーパー、ATM、郵便局、ゴミ収集日など。営業日・営業時間の確認をしておきます。医療機関については、年末年始期間の当番医も調べておくと安心です。
・食事の確認
おせち、年越しそば、その他メニュー、インスタント等すぐに食べられるストック品。おせちをつくるのか、注文するのか、それとも食べないのか。年越しそばをどうするのか。正月三が日のメニューや、食べ飽きたときのためのストック品の有無など。
それぞれ献立決めや、材料調達、予約などが必要になります。ご家庭によって大きく変わってくる部分です。
・消耗品の確認
お店が閉まってしまうので、消耗品の在庫確認が大切です。トイレットペーパーやティッシュ、シャンプー、洗剤のほか、常備薬やコンタクトレンズなどもチェックしておきましょう。
・行事の確認
年末年始の行事を大切にするご家庭なら、お正月飾りの出し入れをする日程、初詣の行き先と詳細などのチェックも必要です。
●これでもう管理に悩まない!やることがみるみるわかる100均ノート活用術
最後に紹介したいのは、やることを漏れなく把握するためのノート術です。
「マンダラート」という発想法をご存知でしょうか。9つのマスをつくり、中心にテーマを書き、その周りに派生する内容を書き込んでいくというものです。
おもにアイデアを出すときに使われているマンダラートですが、私はやるべきことの洗い出しにも重宝しています。
たとえば、写真では「年末年始の営業日確認」をしたいのでそのテーマを中心に書き、その周りに「ATM」「スーパー」「ショッピングモールA店」「病院」というように確認したい事項を書き込んでいきます。そして、調べたら丸をつけたり、消したりします。
ここでは、ダイソーの「SMARTWORKING」というシリーズのノートで、マンダラチャート式になっているものを使ってつくってみました。ふつうの紙やノートでも、自分でマスを書けばかんたんに取り組めます。
やるべきことをあらかじめまとめて整理しておくと、慌てることもなく、疲れもなく年越しができると思います。ぜひ、今から暮れじたくをはじめて、穏やかに年を越してみませんか。