少し暑さは落ち着いてきたとはいえ、まだ気が抜けないのが水まわりの除菌です。
毎日使うキッチンの調理台のお手入れは布巾でサッとすませてしまう人も多いのでは? 菌が増殖しやすい調理台の正しいお手入れ方法を、掃除研究家のおそうじペコさんに教えてもらいました。

調理台のお手入れの様子
調理台のお手入れ、正しくできていますか?(※写真はイメージです)
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調理台の正しいお手入れ方法。おそろかにすると食中毒の原因にも

この時期熱中症と共に注意しなければならないのが食中毒です。7月から10月の時期は湿度や気温が高く細菌が増殖しやすいため、細菌性の食中毒の発生件数が多くなります。食中毒を予防するためには食材の管理や調理器具の消毒などいくつかありますが、今回は料理をする前にぜひ忘れずにしてほしい調理台のお手入れ方法をご紹介します。

●調理台をしっかり除菌するために心得たいこと

スポンジや調理器具のお手入れはしても、意外とおろそかになりがちなのが調理台です。

調理台のお手入れは布巾でふく、汚れたら洗剤を使用して掃除をするなど簡単にすませていることも多いのではないでしょうか。水気が多く食材が付着しやすい調理台は菌が増殖しやすいため、常に清潔にしておく必要があります。

正しい調理台のお手入れ方法のポイントは2つです。

【ステップ1】しっかり汚れを落とす

まずはただ拭くのではなく、洗浄剤を使用して汚れをしっかり落します。菌の数を減らし、菌の餌となる汚れをなくすことで除菌効果を高めるためです。

【ステップ2】少し待ってから除菌

汚れを落としたあと、数分待って完全に乾燥させてから除菌剤でふき取ります。しっかり乾燥することで水分がなくなり、除菌剤が薄まることを防ぎ効果的に作用させることができます。

この2つのステップを一緒に考えてしまうケースが多いのですが、「洗浄」と「除菌」は分けて考えてお手入れをすることが大切です。

●簡単にできる調理台のお掃除方法

ここからは効果的で簡単にできる調理台の掃除方法をご紹介します。

(1) 調理台を整理する
調理台の上に物を置かない

調理台の上に物が多いと作業スペースが狭くなり食材同士が混ざり合う、汚れが溜まるなど不衛生になりやすくなります。なるべく調理台は広く使用でき、すぐに掃除できるよう整理しておきます。

(2) 洗剤で汚れを落とす(ステップ1)
40度前後のぬるま湯に食器洗い用の中性洗剤を数滴たらして泡立てた様子

40度前後のぬるま湯に食器洗い用の中性洗剤を数滴たらして泡立て、清潔な布巾を浸します。中性洗剤は調理台の素材を傷めにくいため掃除にとても便利です。

一定方向に向かってふき掃除

布巾を軽く絞って調理台の上を一定方向に向かってふき掃除をします。

円を描いたり、往復させると汚れがかえって広がってしまうので一定方向がコツです。さらに布巾を洗ってもう一度ふき、洗剤成分をふき取ります。ぬめりが残るようなら数回ふき取ります。

(3) 除菌をする(ステップ2)
なるべく隙間なくスプレーする

数分待ち調理台の水分が完全に乾燥したら、エタノール消毒液やキッチン用除菌剤をスプレーします。除菌剤を行き渡らせるために画像内の水色の円のように、なるべく隙間なくスプレーします。

一定方向にふき除菌

乾いたペーパータオルで、このときも一定方向にふき除菌します。ここでの大切なポイントは完全に調理台が乾いてから除菌剤をスプレーし、乾いたペーパータオルでふくことです。

除菌剤はエタノール消毒液、キッチン用アルコールスプレーなど除菌作用のあるもの

除菌剤はエタノール消毒液、キッチン用アルコールスプレーなど除菌作用のあるもので、食材にかかっても問題ないとされているものを使用します。

コロナ禍の影響で除菌剤の在庫が少なくなっていますが、エタノール不使用の除菌剤などもあるので探して一本キッチンに置いておくと安心です。

※エタノールを含む除菌剤は火気厳禁です。注意して使用してください。

●少しの細菌でも放置すると増殖…正しいお手入れをして清潔をキープ

洗浄と除菌の2ステップは調理台だけではなく、スポンジや調理器具のお手入れにも言えることです。まずは汚れをしっかり落し、乾燥させてから改めて除菌剤を使用することで菌の増殖を抑え、除菌することができます。
今の時期は少しの細菌でも放置すると、どんどん増殖してしまいます。正しいお手入れ方法で清潔に調理できる環境をキープできるようにしておきたいですね。