天気が悪いと、具合が悪くなったり、落ち込んだり…ここ数年、聞くようになった「天気痛」という言葉。
原因や自分でできる対処法について、天気痛研究の第一人者である、佐藤純先生に聞きました。

頭を押さえる女性
天気痛かな? と思ったら…
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天気が悪いと、体がだるくてしかたありません…天気痛の特徴と改善策

読者からのお悩みにお答えします。

<読者のお悩み>

朝から雨が降っていたり台風の日など、天候が崩れると体調が悪くなります。
最近「天気痛」という言葉を聞いたのですが、もしかしてそれかな? と思っています。自分でできる対策があれば教えてください。恵梨さん(38歳)

<医師の回答>

天気や気圧の変化によって、体にさまざまな不調が起こることを「天気痛」といい、悩む人が多い症状です。気圧の変化をキャッチする「耳」に原因があります。

・天候の影響を受けやすい人は気圧をキャッチする「耳」で日々の対策をしてみましょう

耳の奥にある「内耳(ないじ)」には、外部からの気圧の変化を感じ取る部分があり、気圧変化を感じると、自律神経のバランスが乱れると考えられています。すると、もともともっている疾患の症状が強く出たり、気分が悪くなったり、だるいといった症状が出てしまう人がいるのです。とくに、乗り物酔いしやすい人や、心身の感覚が敏感な人に多くみられます。

この天気痛を改善する一歩目は「どんなときに、どんな症状が出るのか」を知ること。おすすめしているのは、「痛み日記」をつけることです。天気や気圧の変化と、痛みの出方や症状を記録することで、体調のリズムや痛みの出るタイミングがわかるように。そうすると、前もって対策がとれますよね。

具体的な対策としては、自律神経を整える体操をしたり、漢方薬の服用や、酔い止めの服用などがあります。ただ症状によって合う薬もさまざまなので、薬を服用する場合は必ず医師に相談をしましょう。

・耳のマッサージを毎日行うのも効果的

イラストくるくる耳マッサージ

手軽にできる対処法としては、耳のマッサージを毎日行うのも効果があります(イラスト参照)。というのも、耳の周りの血流が悪いと内耳の中にあるリンパ液が滞って、めまいや頭痛などの症状を引き起こしやすくなるからです。

そのほか、市販されている「天気痛対策用の耳栓」も即効性があるので、試してみるのもいいと思います。