新型コロナウイルスでの外出自粛という、未曽有の事態に見舞われた今年。非常事態宣言が解除されたとはいえ、今後も三密を避けなければならないうえ、梅雨に突入すれば引き続きおうち時間が長くなりそうです。

そんなときは、もともと家時間が長い北欧の暮らしが参考になるかもしれません。北欧に詳しいルミコハーモニーさんが、教えてくれました。

テーブルに食べ物など
北欧の「おうち時間」Photo by Anni Hayshi
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北欧の家時間の楽しみ方。シンプルでデザイン性の高い家具と過ごす

●おうち時間の過ごし方が得意な北欧の人々

北欧の冬は暗くて長く16時には真っ暗になり、朝の9時でもまだ暗いのが普通。そんな環境の北欧の人々は、おうち時間の過ごし方がとっても上手なんです。

わが家は夫がフィンランド人で、現在日本で暮らしていますが、今回の外出自粛期間中にパンを焼いたり、親子で料理をしたり、木材で机をつくったりしました。
今まで休日はお出かけばかりして、おざなりになっていたことに取り組むことができ、少し北欧のライフスタイルに近づけたかなと思います。

くつろぐ男性と女性のイラスト
https://finland.fi/ja/emoji/よりダウンロードできる

フィンランド語には、kalsarikannit(カルサリカニット)という言葉があります。これは「外出予定がなく自宅でパンツ一丁で酔っ払う」という意味。
フィンランドは世界で初めて政府が公式の絵文字(emojis)を発表した国ですが、上の画像は、このkalsarikannit(カルサリカニット)を表現した絵文字です。
外出せずおうち時間を楽しむことが、いかにフィンランドの国民性なのかがうかがわれますね。

1枚目の写真は、フィンランド人のご自宅。居心地のいい部屋で、ティータイムを過ごしている姿がうかがえます。
自宅でケーキを焼いて、ほっこり過ごすおうち時間。北欧は世界でもコーヒーの消費量が高いことで知られます。テーブルには定番のブルーベリージャムも!
そして、マリメッコのぺーパーナプキンやArtekの家具などが、北欧らしい魅力を一気に高めていますね。

長時間過ごすおうちの中を快適でおしゃれに保ちたい北欧の方々は、無駄を削ぎ落したシンプルでデザイン性の高い家具で、心地よい空間をつくり出すのが上手です。

●デザインで闘った過去。フィンランドの感染症

白黒写真
(C)Artek

フィンランドを代表する家具ブランドのひとつであるArtekには、こんな逸話も。
創設したアルヴァ・アアルトは、1933年に完成した結核の保養所(パイミオのサナトリウム)をデザインしています。当時、結核が蔓延していたフィンランドで、結核患者が隔離入院し療養するための施設です。

階段
(C)Artek

それぞれの病室は南東を向いているため、朝日を浴びることができる一方で、西日が避けられるようになっていたり、窓が広く外にいる感覚を持てるようにしたり、室内をカラフルにして鬱憤が溜まらないようにしたりと工夫されていたそう。今日の私たちの家時間の参考にもなりますね。

アームチェア
(C)Artek

なかでも、結核患者のためにデザインされたイス「41 アームチェア パイミオ」は、洗練されたデザインで今なお人々を魅了し続けています。
胸をそらして座れるように設計されていたり、掃除がしやすい素材でできていたり…。ひじかけの木は自然からヒントを得た曲線美に仕上げられ、自然との一体感も味わえるようになっています。

このように、自分のお気に入りのチェア一脚があるだけでも、おうち時間の充実度が変わってきますね。ぜひみなさんも、心地よいおうち時間の過ごし方見つけてみてくださいね。