女性に多いと言われる「膀胱炎(ぼうこうえん)」。日常生活でできる予防法はあるのでしょうか? 泌尿器科専門医の二宮典子先生に教えていただきました。
すべての画像を見る(全2枚)膀胱炎の予防法。生理中の過ごし方は?
ESSE読者の健康に関するお悩みに、専門家が答えてくれました。
「35歳のときに膀胱炎になり、治療しました。膀胱炎は再発しやすいと聞いて不安です。日常生活でできる予防法があれば教えてください」(りょうこさん・41歳)
●2人に1人がかかる、といわれる膀胱炎。免疫力を落とさない生活が大事
膀胱炎にも種類がありますが、いちばん多いのは「細菌性膀胱炎」です。大腸菌などの細菌が尿道から膀胱に入ってしまい、膀胱の中で菌が増えて炎症を起こして痛みや残尿感、頻尿といった不快な症状が出ます。
本来、膀胱内は無菌ですが、尿道の周りや外陰部にはいろんな菌が付着しているので、膀胱へ侵入してしまうことがあります。元気なときであれば、菌が入ったとしてもすぐに増殖することはなく、排尿時に膀胱内の菌が外へ出ます。
しかし、免疫力が落ちていたり、トイレに行けずに膀胱に尿がずっとたまった状態が続くと、菌が増殖して感染してしまうんです。
生理前後や生理中は、ストレスが多くなり、それによって免疫力が落ちる人も。長時間ナプキンやおりものシートを当てていると菌が増殖しやすくなるので、まずはこまめに交換して清潔を心がけて。またこの時期の性交渉も膀胱炎にかかりやすくなるので、セックスのあとはすぐに排尿するようにしましょう。
●排尿や排便のあとは、前から後ろにふく
排尿や排便のあとは、大腸菌が腟から侵入するのを防ぐため、必ず前から後ろにふくようにして。また温水洗浄の刺激は、じつはあまりよくないので使用は控えめに。
膀胱炎は再発を繰り返す人も多い病気です。再発を防ぐには免疫力を落とさない生活を心がけること。
もっとも大切なのは睡眠です。十分な睡眠がとれていると自律神経が整い、免疫力アップにつながります。
また過度なストレスも免疫力低下につながるので要注意。疲れやストレスをためないように気をつけましょう。