むし暑いこの季節、ビールをはじめ、アルコールがいつも以上においしく感じられるかもしれません。1日の終わりの一杯がたまらない!という方もいるでしょう。
アルコールは気分をリラックスさせてくれ、適量であればHDLコレステロール(いわゆる善玉)を増やす働きもありますが、量が過ぎれば体にとっては負担になります。
アルコールと上手につき合う方法を、管理栄養士の藤内薫さんに教えてもらいました。

ビールがおいしい季節に注意したいお酒の飲み方
ビールがおいしい季節に注意したいお酒の飲み方
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夏のお酒には要注意!脱水症状の危険も

アルコールが体へもたらす影響はさまざま。今回はとくに、下の3つについてご紹介します。

●脱水症状を招く

夏場にとくに注意したいのが、アルコールの利尿作用による脱水症状です。ただでさえ汗をかいているのに、チェイサーなしでついついお酒を飲み進めると、脱水症状につながるリスクが! 脱水状態になると血液の粘り気が強くなり、血管が詰まりやすくなります。また、尿酸の濃度が高くなりやすいので、痛風が気になる方も要注意です。

脱水予防は、なんといっても水を飲むこと。アルコールを飲む前、飲んでいる最中、飲んだあと、寝る前にとりましょう。その際、コーヒーや緑茶など、利尿作用のあるカフェイン入りの飲み物はNG。ジュースは水分が取れても糖が多いので、避けたほうがよいでしょう。おすすめは水か炭酸水、ノンカフェインのお茶です。

●肝臓に脂肪がたまりやすくなる

肝臓に脂肪がたまりやすくなる

アルコールも栄養素(タンパク質や糖質、脂質など)も肝臓で処理されます。アルコールをとると栄養素が脂質に変換されやすくなり、肝臓の周囲に蓄積すると“脂肪肝”を引き起こします。

これを避けるには、おつまみ選びがポイントです。夜8時以降は脂肪の合成が促進さるので、揚げ物やこってりした料理を食べるなら早めの時間に。8時を過ぎたら野菜や豆腐、魚を中心としたあっさりしたおつまみに。また、シメの麺類やご飯ものは汁物やスープに、デザートはお茶にチェンジするなどのやり方があります。

●脳への影響

毎日2合以上の飲酒習慣がある人には、それ以下の人より高い確率で脳萎縮が起こるという報告があります。
では、具体的にどのくらいなら飲んでもいいのでしょうか? アルコールの目安量は1日20gまで。代表的なアルコールの目安量は次の通りです(もちろん以下の数値は、ここまで飲んでいいということを意味するわけではありません。また個人差も当然あります)。

・日本酒(180ml、1合)
・ビール(500ml)
・ウィスキー(60ml ダブル1杯)
・焼酎[アルコール25度の場合](110ml 0.6合)

お酒にはいい作用もありますが、結局のところアルコールはアルコール。総量が多くならないよう気をつけることが第一です。上の量を参考に、多い方は目安量に近づけることと、週に2日以上の休肝日を設けることをおすすめします。たとえば、普段よりゆっくり飲むことを心がけるだけでも、総量が減る可能性があります。

“身体にやさしい”アルコールの飲み方をすると翌朝の体の軽さ・だるさが変わってきます。とくに、アルコールの量が減ればダイエットにもつながりますよ。「元気だし、健診の肝臓の数値も基準値」という方も、一度、アルコールの飲み方を振り返ってみてくださいね。