キッチンでついつい増えてしまいがちな食品用保存容器。大きさや深さなど用途によってさまざまなサイズがあり、いつの間にか引き出しや食器棚のなかで大きな存在感を放つことに。
ライフオーガナイザーの尾花美奈子さんに、保存容器の選び方と手放し方について伺いました。
保存容器に必要な基準を決めて、合致しないものは処分の対象に
「あるといいかな」となんとなく買ったり、頂き物の容器がそのままになっていたりと、保存容器は増えやすいもの。
「いろいろな大きさや形の保存容器があってうまく収納できない。グチャグチャになってしまう。減らしたいのだけど、どう減らしたらいいのかわからない」というお悩みを伺いますが、それは「もつ基準」がないから。基準が決まれば「当てはまらないものは手放す対象」とわかりやすくなりますよね。
●保存容器に求める優先事項を明確にする
保存容器に求めることはどんなことでしょう? 優先させたいことは?
油汚れが落ちやすくにおいがつきづらいガラス製? 汁物もこぼれない密閉性? 省スペースで収納できること?
その優先事項を順番にリストアップすると、それが「もつ基準」となります。
●省スペースで収納できる保存容器は?
わが家はキッチンの収納スペースの事情から「省スペースで収納できること」を最優先しています。
そのために必要になった条件は3つ。
(1)スタッキングができコンパクトになるスタッキングができると、5個持っていたとしても必要になるスペースは1つ分だけ。
平日の夕飯づくりがラクになるように事前に野菜をカットしたり、つくり置きをする場合には保存容器の数が必要になりますが、スタッキングができればコンパクトに収まります。
(2)マルチ使いができるプラスチック製保存容器としてだけでなくほかの用途でも使えると、ものが減ってスペースができます。
たとえば、お弁当がたまにしか必要ない家族には、専用のお弁当箱はもたずに保存容器で代用。
また、サンドイッチケースやバーガー用のケースは、保存容器に100円ショップのおしゃれなデザインのオーブンシートを敷いても十分すてき。そのためには軽くて温めもできるプラスチック製がベストです。
(3)いろいろな種類をもたない。上手に活用できるのは長方形長方形、正方形、丸型…それぞれの形に大中小と大きさをそろえていたら場所を取ってしまうので「収納面での効率がよい形」に絞ると省スペースですみます。
丸型よりも四角形の方が角の分まで多くつめられ、さらに正方形より長方形の方が、冷蔵庫にしまったときに手前があいてしまわない分空間が有効に使えます。
この3つの条件を満たす保存容器を選ぶと、省スペースで収納できるようになります。
ただ、プラスチック製は油分の多い食品や匂いのつきやすい食品の保存には向いていないので、余ったカレーなどの保存用としてガラス製を大中ひとつずつもっていると安心です。
今回は省スペースという観点から考えましたが、もちろん人それぞれの基準がありますので、まずは自分の優先事項をリストアップして考えてみてくださいね。