「防災」と聞くとハードルが高く感じますが、ものの置き方やしまい方を見直すだけで「地震に強い収納(=防災収納)」をつくれます。今回は、リビングの防災収納テクニックをご紹介。熊本地震で被災の経験がある、防災収納インストラクターの松永りえさんに教えてもらいました。
すべての画像を見る(全5枚)暮らしやすさを意識しつつ、いつも安全な空間に
家族ですごす時間が長いリビングは、とくに安全な場所に整えることが大切です。家具やインテリアの固定、割れないアイテムの選定など、地震が起きた場合を想定して対策しましょう。
たとえば、キャスターつきのラックは、地震のとき予測不能な動きをする“凶器”に変身するので注意が必要です。
また、キッチンだけでなくリビングにも食品を保存するのがおすすめ。キッチンが使えなくなった場合を想定し、分散収納を心がけて。
●1:リビングの棚にはローリングストックの食品をイン
リビングの棚には、ローリングストック(※)の食品を収納。キッチン近くに収納することで、取り出しや補充など普段の動線がスムーズに。また、分散収納をすれば、キッチンが使えなくなった場合も食品を確保できます。
※ ローリングストック……普段使用している食品や日用品を少し多めに購入し、使った分を買いたして、つねに一定量をストックしておく方法のこと。防災用として特別に準備するのではなく、普段の生活に自然に取り入れるのでハードルが低いのが特徴
●2:大きな観葉植物は、低重心×すべり止めで安定
熊本地震で細身の鉢が割れてしまい、重く安定感のある鉢に変更。鉢の下にはすべり止め用のマットを敷いています。
また、観葉植物を窓際に置くと、地震の際に動いて窓ガラスを割る危険があります。窓から離れた場所を定位置にしましょう。
●3:落ちる・倒れるに備えれば、インテリアも楽しめる
お気に入りの北欧インテリアは、底の部分にしっかり固定できる「魔法のテープ」や「クッションゴム」を貼って転倒防止対策。防災収納とインテリアを楽しむ暮らしは両立できます。
『地震に強い収納のきほん』(扶桑社刊)では、キッチンや寝室などの防災収納法を紹介しています。ほかにも、防災リュックのつくり方やローリングストックのコツ、防災アイテムリストなど、気になる防災情報をまるっと掲載。ぜひチェックしてくださいね。
※ この記事に記載されている内容は著者の見解であり、2025年時点の情報に基づいています。実施する際は、ご自身の判断の上で行ってください。
