画廊と美術館勤務を経て、現在は月4万円の年金を軸に「1日1000円」の暮らしを実践している75歳のエッセイスト、小笠原洋子さん。今回は、そんな小笠原さんが昨年経験されたという長期入院について、当時の大変だったことや、入院生活で本当に必要だと感じたものについて聞いてみました。

小笠原洋子さん
節約上手なエッセイスト・小笠原洋子さん
すべての画像を見る(全3枚)

まさかの骨折で長期入院!その驚きの原因とは

節約上手なエッセイスト・小笠原洋子さん

いつもはつらつと元気な小笠原さんですが、昨年、予期せぬアクシデントで大変な経験をされたそう。

「じつは、けがをして長期入院をいたしました。骨折だったんです」(小笠原さん、以下同)。

ある秋の日、海を見に行きたくなって、海岸へ出かけたという小笠原さん。

「コンビニで肉まんを買って、1人で食べていたんです。最後の一口を食べようとした瞬間さっとなにかが私の前をよぎって、気づいたら手元の肉まんが消えていたんです。空を旋回していたトンビだったんですね」

突然の出来事に呆然としていたら、手に持っていた包み紙が風で飛んでいきそうに。

「なぜかそのとき、『あの紙を拾わなきゃ!』という思いに駆られて、自分が座っていた高い場所から飛び降りてしまったんです。そして、着地に失敗。骨が粉々になるほどの大けがでした」

最初に運ばれたのは現場近くの病院。

「ただ、自宅からとても遠くて。病院のすすめもあり、退院後の通院が大変だろうということで、その日の夜遅くに介護タクシーで自宅に近い救急病院に転院しました。そこから急な入院生活が始まりました」