梅雨になると気になってくるのがカビ。とくにキッチンは、食品を扱う場所であることもあり、三角コーナーや排水口、シンクなどのカビやぬめりが一層、気になるところ。そんなカビ予防や対策に欠かせないのが「除菌」です。今回は、カビ取り総合情報サイト「カビペディア」の編集長であり、カビ取り専門会社ハーツリッチの代表である穂苅英樹さんに、キッチンの適切な除菌方法を聞きました。
すべての画像を見る(全3枚)梅雨時のキッチンはカビの温床!
カビは菌類の一種で、専門的には「真菌」と呼びます。カビは環境条件が整うと、どんどん成長し、かたまりとなって人間の目に見えるほどになります。
かたまりになると、繁殖の勢いを増し、カビの胞子を空気中に飛ばすようになります。飛んだカビの胞子は、繁殖に適した場所に定着して、さらに繁殖していくのです。
カビの発育に必要なものは、
(1) 酸素
(2) 温度
(3) 湿度
(4) 栄養分
の4つです。
酸素はどこにでもありますが、温度は20~28℃程度がもっとも好まれ、湿度は60%以上、栄養分はホコリ、皮脂、汗、アカ、フケ、食品のかすが挙げられます。
とくに温度と湿度が上がりやすい梅雨時期は、食品などの栄養分が豊富なキッチンに繁殖しやすくなります。
放置すると食中毒やアレルギーの原因になることもあるため、調理前後にこまめに除菌を行い、衛生的な環境を保つことが大切です。
キッチンの正しい除菌方法とは
キッチンでカビを予防・対策するには、適切な方法で除菌することが大切です。おもな道具や場所の除菌方法を紹介します。
●まな板の除菌方法
まな板は、調理後に食器用洗剤でしっかり洗ったあと、熱湯をかけてアルコール除菌スプレーを吹きかけ、自然乾燥させます。
漂白剤を使用する場合は、薄めた液につけおきし、よくすすいでから乾燥させましょう。
●シンクの除菌方法
シンクは一日の終わりに洗剤で洗浄したあと、薄めた漂白剤やアルコール除菌スプレーを使用して除菌します。
排水口付近は菌が多いため、漂白剤を薄めてつけおき後、ブラシで軽くこすってすすぎましょう。強くこするとシンクに傷がつき、カビが繁殖しやすくなるので注意が必要です。
●三角コーナーの除菌方法
三角コーナーは、カビの栄養分がとくに多い場所です。ゴミをこまめに捨て、洗剤でしっかり洗浄後、薄めた漂白剤につけおき除菌します。
排水性を高めるため、定期的に熱湯をかけることも効果的です。使わないときは乾燥させておくのが理想です。
●ふきん
ふきんは、使用後に洗剤で洗ったあと、煮沸消毒または薄めた漂白剤につけおきし、しっかりすすいで乾燥させます。定期的に交換するのも衛生管理のために効果的です。