50代、舞台の余韻をまとう「赤」を効かせた上級者
すべての画像を見る(全3枚)宝塚大劇場のおみやげ売り場で見かけたのは、真っ赤なシャツをさらりと着こなした50代の女性。
くすんだ朱色のベストを重ねた赤のワントーンに、グレージュのパンツ&同色のシアースカート。バッグとパンプスもくすみグリーン系でまとめられ、全身を「3色以内」に抑えたスタイルに、しばし見とれてしまいました。
ツヤのあるリーゼント風ショートヘアも相まって、どこか舞台の男役のような凛とした雰囲気。
手にしていたのは、スミレモチーフのクッキー。花の道のベンチも、ランチで使われていたスープカップも、すべてが舞台の小道具のように感じられました。
●派手色も「3色以内」でうまくいく
派手なコーデも、全体を「3色以内」に抑えることでまとまりのよいコーディネートに。
また、アイテムのかけ合わせ方がおしゃれ上級者。パンツ×シアースカートの同系色レイヤードで奥行きを出し、赤の濃淡と異素材ミックスで視線を惹きつけるグラデーションになっていました。
大人の大胆さと引き算の妙で特別な日の装いを彩る
まるで劇場のように、訪れる人の装いすら演出されている宝塚の街。
今回出会ったお2人から感じたのは、「年齢を重ねたからこその大胆さ」と「配色や素材の引き算の妙」でした。憧れの舞台を観に行く日も、何気ない日常の装いも、少しの工夫で「物語のある服」に変えられるのだなと実感。
街を歩くだけで、自分も少し舞台の一部になれたような、不思議な余韻が残る取材でした。
次回の「東京おしゃれ図鑑」もお楽しみに。
※ 「東京おしゃれ図鑑」は街ゆく人のファッションをヒントに独自のアレンジを加えて掲載しております。