ゴールデンウィークが始まりましたね。今年は円安や物価高騰の影響もあり、近場でドライブ旅行を計画している方も多いのではないでしょうか。自然や観光スポットを気軽に楽しめるドライブ旅行は、家族や友人との時間を過ごすのにぴったり。では、海外のドライブ旅行は日本とどう違うのでしょう? アメリカ・シアトルに住んで約20年、子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、アメリカのドライブ旅行事情をテーマに現地からレポートしてもらいます。

ドライブ
アメリカのドライブ旅行事情
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アメリカのドライブ旅行のカギは「高速道路」にあり!

道

本土だけで広大な土地を抱え、さらにはカナダやメキシコと地続きのアメリカ。鉄道や地下鉄の利用はほんの一部に限定されるため、アメリカ人にとってドライブは日常生活ときり離せないもの。同時に旅の基本でもあります。

大都市はもちろん、あまり聞いたことのない辺鄙(へんぴ)な場所まで隅々に航空路線網が広がるものの、燃料費の上乗せで航空券の価格は高止まり。そのうえ、昨今の国内線のエコノミークラスは座席の指定や荷物の預け入れ、食事サービスに別途お金を取られます。

ひとり旅ならともかく、家族旅行など複数人数で移動する場合は、途中で1泊しても、クルマを使う方が効率的で安上がりなのです。

「クルマでの移動でもそれなりに時間とお金がかかるのでは?」と思いますよね。たしかにガソリン代は安かった数年前と比べて今や倍額ですが、それでも日本より負担は少ないかもしれません。

その理由は、縦横無尽に延びる高速道路。しかも、アメリカでは基本的に高速道路の通行料は無料です。

たとえば、私の住むシアトル周辺だけでも、高速道路は国道、州道と複数走っていますが、橋へのアクセスが一部有料化したとはいえ、ほとんどのルートが無料。規定の人数を満たせば、「エクスプレスレーン」と呼ばれる優先車線も無料で通れるので、一般車線が渋滞する時間帯も、家族でスピーディーに移動できます。

旅行以外でも普段から、子どもの学校や習い事の送迎、家族での買い物などでお世話になっています。

実際にフリーウェイを運転してみると…

高速道路

日常使いしているほど便利な高速道路ですが、今でも運転時はドキドキの連続です。とくに国道の高速道路ともなるとレーン数が多く、ポイントによりますが2桁もざら。なんとヒューストンの高速道路のあるポイントでは驚異の26レーンとか!

困るのが、入り口から出口までの距離がわずかという場合です。短時間で端から端まで車線変更する必要があり、すいているときはスピードを落とさず次々に移るのに緊張し、混んでいるときはそれはそれで、連なる車間に入れてもらうタイミングが難しい。

そんなに運転が得意ではない私は、車線変更が間に合わずに目的の出口を逃したことは数知れず…(苦笑)。

のどかな景色

また、途中ののどかな地域を通り過ぎるとき、ひたすら真っすぐの国道になんの変哲もない景色が続くと、疲労と眠気が襲ってきます。

適度にカーブがあり、その土地ならではの風景も垣間見える州道のほうが、個人的には好みですが、国道のスピード感は段違いなので、ドライブ旅行の選択としては悩ましいところです。

しかも、国道の高速道路には「レストエリア」と呼ばれる休憩所が一応設置されているとはいえ、本当にポツポツとあるだけで、数は限られます。ほとんどはトイレと水飲み場、ゴミ箱、ピクニック用テーブルがかろうじて用意されているくらいの簡素なもの。

以前、一度だけコーヒーとクッキーを無料提供しているレストエリアを見かけたことがありますが、これもじつは地元ボランティア・グループの活動によるものでした。