じつは生きているだけで「競争適性」は身につく
すべての画像を見る(全3枚)そうはいっても、現代は「競争社会」です。子どもに早いうちから競争に慣れさせたほうがよいという考えをもっている親御さんもいるでしょう。
しかし、焦らなくても、競争適性は子どもたちが日常を生きているだけで少しずつ身についていくものです。
クラスメイトの前での発表、運動会の本番、班長への選出、習い事のコンクールや発表会、部活動の試合。読者の皆さんも小中学生のころ、「あのときは緊張で足が震えた」という経験を何度も重ねてきたはずです。
これらの経験が、子どもたちに年齢相応のプレッシャーを与え、彼らを強くしていきます。
高校受験なら、だれもが成功体験を得られる
中学受験をやめた場合、子どもは高校受験をすることになりますが、高校受験は、競争適性の低い子にも選択肢のあるシステムになっています。
たとえば、どの学校からも合格通知を得られない子がいないよう、少なくとも1校から合格を得られるように「併願優遇」(東京都)「併願確約」(神奈川県)という制度が存在します。だれもが一度は「合格」という成功体験を得られるようになっているのです。
一発勝負の緊張感に耐えられない子への対策として、持続的な努力を評価する単願・推薦入試なども設けられています。高校受験は、競争適性のない子にも配慮された制度設計がなされています。
●競争心の低い子が高いパフォーマンスを発揮するには?
競争心の低い子でも学びへの意欲は高く、勉強が得意であるケースも少なくありません。
小中学生を見てきた塾講師としての経験から、こういうタイプの子は、競争心をあおるよりも、学問的な楽しさをたっぷり味わい、学習の成果を他人との比較などに求めないほうが、高いパフォーマンスを発揮することができるでしょう。
今回は、中学受験を始める前に知っておきたい注意ポイントについて紹介しましたが、このほかにも、東田さんの著書『「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと:4万人が支持する塾講師が伝えたい「戦略的高校受験」のすすめ』では、「自己肯定感の育成」を隠れた重要テーマの1つとして、小学生・中学生の子どもを持つ保護者に必読の情報を紹介しています。
※この記事は『「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと:4万人が支持する塾講師が伝えたい「戦略的高校受験」のすすめ』(Gakken刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
