共働きの夫婦の毎日は、仕事に家事にと、なにかと忙しいもの。でも、ちょっとした間取りの工夫によって、忙しい日々の中で家事の負担を減らし、リラックスできる空間を確保できます。10か月前に念願のマイホームを建てた40代の共働き夫婦が、実際に採用してよかった間取りについて3つのポイントをご紹介します。

のびやかなLDK
共働き夫婦には家でリラックスする時間が貴重。のびやかなLDKになるよう、デッキとつなげて広々とした空間に
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オフタイムに夫婦でくつろげるLDKを目指す

1階図面

筆者は、40代共働き夫婦で愛犬と暮らしています。大手ハウスメーカーに依頼して都内に延べ床面積33坪の2階建て注文住宅を建てました。都内のマンションからの住み替えです。

共働き夫婦にとって、家は単なる「寝起きするだけの場所」ではありません。仕事や家事を効率的にこなしながらも、オフタイムには心身ともにリラックスするための大切な空間です。

家にいる時間が限られるからこそ、少しでもラクしたい。そして夫婦で過ごす時間を快適なものにしたい。そんな住まいを目指しました。

間取りのポイントのひとつ目は、LDKです。

共働きの私たちは、お互いに平日の日中は家をあけることが多いため、帰宅後の夕食の時間やその後のくつろぎタイムをなによりも大切にしたいと考えました。そこで、LDKの間取りと動線にはとくにこだわり、家族の時間を大切にできる空間をつくりました。

食後のだんらんを心地よいものにする工夫を

ダイニングからの眺め
視線が通り、面積以上の広がりが感じられるLDKに。食卓はキッチンの横に配置。効率よく食事の準備・片付けができる。居心地よくするためにテーブル選びにもこだわった

まずプランニングの段階では、リビングを少しでも広く確保することを最優先に。ソファに座って映画を観たり、愛犬と遊んだりと、ゆったりとした時間を過ごせるようにしたかったからです。結果的に、1階のほとんどのスペースがLDKに割かれることになりました。

さらに以下の3点も有効でした。

・リビングを広く感じさせる工夫

少しでもリビングを広く見せるよう、設計担当者にお願いして、さまざまな工夫を提案してもらいました。

具体的にしたことは「梁を表して天井を高くする」「一部を吹き抜けにして開放感を出す」「窓枠を大きくして視線が抜けるようにする」「間接照明による陰影によって部屋の奥行を出す」など。この4つはとくに効果的だったと思います。

・ダイニングとキッチンを直線に配置

料理の配膳や後片付けの時間を短縮するため、ダイニングテーブルとキッチンを直線上に配置しました。

料理ができたら、すぐにテーブルに。食べ終わったら、食器はすぐに下げて食洗器へ。できたての料理を温かいままいただけて、あと片付けもあっという間。食後のくつろぎ時間が、今までに比べて断然長くなりました。

・お気に入りの家具でリラックスタイムをより豊かに

ウォールナット材の一枚板ダイニングテーブルは、とくに妻のお気に入り。木の温もりが感じられるテーブルでゆっくりと紅茶を飲みながら読書をするひとときが、妻にとって最高のリラックスタイムなのだそう。

忙しい毎日のなかで、ホッとひと息つける時間があることで、日々の疲れも癒やされます。

洗濯&収納の動線をまとめて時短を実現

一直線の動線
ウォークインクロゼット、洗面脱衣室、浴室が一直線につながった配置に。脱衣、洗濯、乾燥、収納を短距離でこなせる

共働き夫婦の平日は時間との闘いです。とくに洗濯と衣類の片付けは毎日のように発生する家事のひとつ。

限られた時間でいかに効率よく洗濯と片付けをこなすか。私たちは「できるだけラクをしたい」という思いから、設計担当者とともに洗濯と収納を効率よくするための動線を以下のように考えました。

・洗濯から物干し、収納までを一直線につなぐ

わが家では、洗濯に関わる動線をすべて2階に集約しました。脱衣所で服を脱いだら、すぐ横にある洗濯機に入れ、お風呂の間に洗濯。洗濯が終わった衣類は乾燥機に入れるか、隣接した物干しスペースへ。乾いたらその脇に設けたウォークインクローゼットに収納。

この一連の動線の長さは約3.5m。一直線につなぐことでムダな動きがなくなり、ほんの数歩で洗濯家事が完了。洗濯にかかる時間を大幅に短縮できました。

・1階のシューズクローゼットにアウター類を分散収納

コートやジャケットなどのかさばるアウター類は、1階のシューズクローゼットにハンガーパイプを設置して収納できるようにしました。

玄関でさっとアウターを着て出かけられるため、朝の出発がスムーズに。帰宅したら靴を脱いだあとにすぐアウターをかけることができます。2階のウォークインクローゼットのスペースもその分あいて、一石二鳥の工夫になりました。

夫婦それぞれの部屋で「ひとり時間」を満喫

2階平面図
2階平面図:ひとりの時間を大切にするため、2階に夫婦それぞれの書斎を設けた。ほどよい距離を保つため、ホールを隔てて2mほど離して配置

共働きの夫婦にとっては、リビングでともに過ごす時間と同じくらいプライベートな時間も大切。リモートワークが増えたことで、仕事をするスペースの確保も必要になりました。そこで、お互いのライフスタイルに合わせて、夫婦それぞれの部屋を設けることにしました。とくに気をつけたのは以下の2点です。

・4~5畳の広さを確保してゆとりをもつ

それぞれの仕事や趣味の時間を大切にできるように、私の部屋は5.2畳、妻の部屋は4.5畳と、コンパクトながらも十分なスペースを確保しました。パソコンデスクだけなら2~3畳ほどの広さでもいいのですが、趣味のグッズや書籍なども置くならもう少しゆとりがほしいところです。

筆者の書斎
筆者の書斎は5.2畳とちょっと広めに。あこがれだったバックバー(バーカウンターの後ろに並ぶ酒棚)も設置。リモートワークをこなすだけでなく、バータイムも楽しめる

・互いの声が届く。でも、オンライン会議には干渉しない距離に

夫婦それぞれの部屋をあまり離してしまうと、家の中での会話がしにくくなります。でもあまりに近いとオンライン会議のとき、気になってしまう。そこで部屋同士を隣接はさせず、廊下をはさんで約2m距離をとる配置にしました。

お互いの個室をもつことで、「集中したいときはそれぞれの部屋で」「リラックスしたいときはリビングで」とメリハリのある暮らしを実現できました。

まとめると:

・夫婦のくつろぎ時間を大切にできるLDK
・家事を効率化する動線と収納の計画
・リモートワークやひとり時間を充実させる個室の確保

3つのポイントを間取りにとり入れることで、共働きである私たち夫婦が、家で過ごす時間をより快適なものにすることができました。

これから家づくりを考えている方は、ぜひ間取りの参考にしてみてください!