祖父の代から80年続くベジタリアン家庭で育ってきたマンガ家のゆきち先生。
ベジタリアンとは、菜食主義とも言われ、肉や魚、卵などの動物性食品以外の食生活を送る人のことですが、野菜そのものにもこだわりがあったそうです。子どもの頃のエピソードから振り返っていただきました。

虫食いしてこそ本当によい野菜。母がこだわり続けた有機野菜

虫食いの野菜についての漫画
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わが家のサラダは虫食いの穴だらけだった。

現在オーガニック系のスーパーや有機野菜の宅配で売っている野菜も多少穴があいているが、あんなレベルではない。

大小無数の穴がボッコンボッコンとあいており、一度農家さんから届けてもらったキャベツが、ほぼ芯しか残っていないという事件があったほどだ。

太った虫がダンボールの隅でスヤスヤ寝てたよ。

普通なら「芯しかない野菜を売りつけやがって!」と怒るところだが、「本当によい野菜を届けてくださっている」と、農家さんへの信頼度が上がっていたから母はクレイジーだ。

そんな野菜たちには、しょっちゅう虫さんが住んでいた。

現在取り寄せている有機野菜
こちらが僕が現在取り寄せている有機野菜。昔は本当に虫食いがすごかったんです。

少年だった僕は虫がいてもへっちゃらでしたが、母は日々大絶叫。
料理中に響く母の悲鳴は日常茶飯事だったので、もし本当に危機が迫ったうえでの悲鳴だったとしても、家族は誰も駆けつけなかったでしょう。狼少年状態。なにも起こらなくてよかった。

ちなみに僕は穴あきの野菜が大嫌いでした(今は大好きだよ!)。
なぜならクラスメイトにバカにされるから。
「お弁当に入れる野菜は、絶対に穴があいてないやつを入れてね!」と頼んでいた。
「わかった。気をつけるね」と母。
栄養満点の野菜を食べさせたいという母の気持ちも知らず、思春期の僕は「もし穴あきが入っていたら一生恨む! 許さないから!」くらいのひどいことを言ったものです。今さらながら反省。。。

でもね、聞いてください。

お弁当の野菜は、その後もなんだかんだ穴あきが入っていました(笑)。

●僕があらゆる野菜を塩麹につける理由

さて、最後におまけ。
実家を離れた今の僕は、有機野菜が大量に届くと、どんどんカットして、瓶に入れて塩麹に漬けるという生活をしています。
お芋以外はすべて塩麹漬けです。ニンジンもキャベツもタマネギもブロッコリーもトマトも大根もすべて漬けます。

野菜を塩麹に漬けた様子
塩麹に漬けまくった野菜。このまま2日間寝かせてそのまま食べます。

その理由はこちら。

【あらゆる野菜を塩麹につける理由ランキング】

5位 管理がラク(冷蔵庫に入れるだけ。混ぜたりもなにもしない)
4位 つくるのが楽(切ってビンに入れて、上から塩麹をたらして終わり)
3位 保存が効く(冷蔵庫に入れれば2週間は余裕)
2位 おいしい(甘味が増す)
1位 体にいい(発酵パワー)

僕はとにかく健康第一です^^

ちなみに「ぬか漬け」はやりません。理由は面倒だから。
塩麹漬けは本当〜にラク。やったことない人はチャレンジしてみて〜。超楽チンだから!! 信じて〜。

塩麹で漬けた野菜はそのまま食べます。2日くらい漬けると、甘くておいしくなるんです。
カットした野菜をジップロックかビンに入れて、上から塩麹をかけるだけで、あとは完全放置なので最高にラクです。
しょうゆもマヨネーズもつけずに、そのまま食べます。

もし手のこんだ健康的な料理が食べたいときは、実家へGO!
大変恵まれた環境です。母に感謝!!!

【ゆきち先生】

マンガ家。栄養士。雑誌『みこすり半劇場』でデビュー。生まれたときから、高校生までベジタリアンとしてオーガニックに育つ。テレビ番組『人志松本の○○な話』に出演し、すべらない話に認定された過去もある。インスタグラム(@yukichikakiuchi)に投稿中の「ゴロ合わせ英単語をUPする英語垢」がじわじわ人気に