特急券は途中下車すると無効になる
すべての画像を見る(全4枚)新幹線や特急列車に乗車する時は、乗車券のほかに特急券も必要です。ただし、新幹線や特急列車に乗車した場合、途中下車すると「特急券」が無効になってしまうのでご注意ください。
つまり東京~新大阪まで新幹線の「乗車券」と「特急券」を買って新幹線に乗車し、途中の名古屋で途中下車(改札の外に出る)すると、特急券がその先から使えなくなるということです(乗車券は使えます)。その場合は特急券を、東京~名古屋、名古屋~新大阪、とわけて買う必要があります。
私は東海道新幹線こだまの自由席特急券と乗車券を買って、途中駅に立ち寄りながら駅弁・駅そばの旅をすることがあります。
東京から出発し、熱海で降りて(改札外には出られません)駅弁を買い、三島で降りてホームの駅そばを食べ、静岡のホームでまた駅弁を買って……という風に。新幹線の自由席であればこういう旅ができるのです。
片道601km以上は往復割引乗車券を買ったほうがおトク
「往復割引乗車券」とは、行きと帰りが同じルートで、片道が601km以上、なおかつ往復の乗車券を同時に買うと、乗車券が1割引になるというものです。
たとえば東京から新青森まで行くとします。東京~新青森間の乗車券は片道1万340円で、もし往復別々に買った場合、合計2万680円。これを往復同時に購入すれば、片道それぞれ1割引となり、片道9306円になります。10円未満は切り捨てられるので、往復は合計1万8600円。なんと2000円近くもおトクになるのです。なお、特急券は同時に買っても割引になりません。
※ 往復割引乗車券は2026年3月に終了することが発表されました。
●ひと駅先まで乗ることで往復割引の対象になる裏技も
このルールを応用して使うこともできます。10年ほど前に、東北新幹線でいわて沼宮内まで取材に行ったことがありました。東京~いわて沼宮内間の距離は566.4kmなので、往復割引になりません。ところが1つ先の二戸駅まで行くと、東京~二戸間は601kmと、往復割引の対象になるのです。
計算すると、東京~いわて沼宮内は片道9130円、往復で合計1万8260円。東京~二戸は片道9790円で、これが1割引で8811円、端数切り捨てで8810円。往復は合計1万7620円となります。このように買ったほうが断然おトクなのです。もちろん乗車券を二戸まで買っていても、乗り降りするのはいわて沼宮内で大丈夫です。
旅行記のため、青森県まで追加取材に行った際もそうでした。行きは東京~八戸、帰りは新青森~東京の切符を買おうとしたのですが、乗車券をバラバラに買うと、合計2万130円。しかし東京~新青森間を往復で買うと、片道1万340円が1割引になり9306円、端数切り捨てで9300円。往復で合計1万8600円と、約1500円も安くなるのです。
新幹線なので特急券も必要ですが、特急券は目的どおり、行きは東京~八戸、帰りは新青森~東京で買いました。こういうことが可能なので、目的地が600kmギリギリになった際は、その先の駅までの運賃も調べてみてください。
ちなみに西方面へは東京~新神戸だと589.5km、その1つ先の東京~西明石だと612.3kmで往復割引対象になり、西明石まで往復で買うほうがおトクです。
※ この記事は『食べて飲んで ひとりで楽しむ鉄道旅』(玄光社刊)より一部抜粋、再構成の上作成しております。
※ 情報は2025年4月時点のものです。また、掲載内容は主に紙の切符の場合です。チケットレスなどの場合、条件が異なることがあります。
