最近、フランス旅行に行く人たちがよくチェックしているのが、いわゆる「お土産屋さん」ではなく「普通のスーパー」。現地の人が使っているグッズ、おいしいものなどその国の空気が感じられて大人気です。フランスの暮らしや文化に詳しいエッセイストのペレ信子さんは、旅行者があまり行かない郊外の大型スーパーは楽しく、ちょっとした「食べ物のテーマパーク」だと言います。ペレさんが詳しくレポートしてくれました。

スーパーに陳列されているチーズ
パックにされたチーズだけでこの種類。量り売りもあり
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野菜や果物は形・量を自分で選んで買える

量り売り

フランスの大型スーパーに行くと、野菜や果物がズラーっと並べられていて美しく圧巻です。赤いトマトの横に緑の濃い野菜を置いたりと、ヴィジュアルを意識して陳列しているように感じます。店内を見渡すだけでどの野菜を買おうかワクワクします。

ところで最近、日本でセルフレジが増えてきましたが、フランスも同じです。お店の形態などはフランスも日本もグローバル化されていることが多いと感じます。

しかし、野菜や果物の「量り売り」に関しては、フランスでは昔から取り入れられているのに、日本にはなぜか導入されていませんね。小さかった時に、日本でも量り売りしてくれる八百屋さんがあった記憶があるのですが。

「量り売り」のやり方は、まず台の中から自分が欲しい形や大きさの野菜や果物を取り出します。袋に入れて自分で計量し機械から出てきた印字シールを貼るという具合。けっこう楽しいですし、無駄な買い物を防げます。

人気の日本食、しょうゆはフランスで市民権を得ている

商品棚

ここ数年、フランスは日本食ブームと言っていいと思います。私が住んでいた30年頃前は和食どころかアジアの食材を探すのは一苦労でした。もちろん本場日本のスーパーには見劣りしますが、今はぜいたくを言わなければいろいろ見つけられるようになりました。

たとえば、「おしょうゆ」。今は大概のスーパーに置いてあります。ずらっと並んだおしょうゆは、「普通」「スパイス入り」「減塩」「甘め」などの豊富な種類があります。

フランス人のなかには「甘め」や「スパイス入り」のお醤油が定番だと思っている人も多くいます。「甘め」しょうゆは煮つめる前の照り焼き用ソースという感じでしょうか。フランスで人気のある特有の味にアレンジされているということは、おしょうゆがフランスで市民権を得ている証拠だと思います。