アニメ『ドラえもん』のスネ夫役をはじめ、『鬼滅の刃』の不死川実弥役や『PSYCHO-PASS』狡噛慎也役など、話題作に多数出演し、俳優としても活躍している声優・関智一さんの暮らしのエッセイ。今回は関さんの「2~3月を振り返って想うこと」についてをつづってくれました。
すべての画像を見る(全5枚)子どもの頃の遊びを今は「仕事」でやっている
3月で2024年度も終わり。このコラムを書き出すにあたって、2月や3月にあったことを思い返してみることにしましょう。
真っ先に思い出すのはコレですね~! 宮城県石巻市にある「石ノ森萬画館」。言わずと知れた漫画家・石ノ森章太郎先生のマンガミュージアム。石巻のヒーロー『シージェッター海斗』と共に、井上和彦さんとトークショーや漫読などをさせて頂きました。
石巻の元気な子ども達とも漫読をできましたし、みんなで電車の旅を楽しんだりと距離感も近くてアットホームな2日間になりました。参加してくれた皆さま、ありがとう。
「漫読=漫画を読む」
そのままなんですけどね、これが意外と奥が深いんです。普段のアフレコとはまたひと味違っておもしろいんですよ~。どちらかというと、落語に近いのかしら?
台詞はもちろん、擬音や環境音、風の音まで声だけで表現するので…やってる方は必死です(笑)。
じつはこの漫読、子どもの頃にも遊びでやってたのです。友達とヒーロー役をどちらがするかでもめつつもカセットに向かって、下手っぴながらも試行錯誤、全力で楽しく収録して…あの頃と同じことをお仕事でしてるって不思議ね(笑)。
そうだ、2月はアレもありましたね。
子どもの頃「別に気にしてねーし」みたいな顔をしながらも朝からワクワクドキドキして学校へ向かい下駄箱も引き出しも念入りにチェックしたあとひっそりと落胆していた、そんなバレンタインデー。
皆さんにも色んな思い出があるでしょうが、僕にとっては淡くちょっぴりほろ苦い思い出であります…。さて、今年のバレンタイン、そしてホワイトデーはいかがでしたか?
鬼はなぜ「パンイチ」なのか…
皆さんのいろんな愛がつまったバレンタイン・ホワイトデーはすばらしい文化ですし、もちろんチョコは大好きですが、日本人ならば2月はコチラも思い浮かぶかもしれません。
そうです。節分!
節分の豆まきといえば「鬼は~そと~福は~うち~」と口ずさみながら鬼に対して豆を無遠慮に投げつける、想像してみるとなんとも言えない気持ちになるイベントですよね。
だって、ねぇ! 鬼の気持ち。豆を投げつけられる鬼の気持ち! 2月の風はまだまだ冷たくコートは手放せない、そんな季節なんですよ。
さぁ皆さん、鬼の姿を想像してみてください。鬼といえば「鬼のパンツ」。そうなんですよ、鬼はパンツしか履いてないのです!! あぁ、なんて寒々しい格好でしょうか…寒空の中をパンツ一枚で揺蕩う(たゆたう)鬼さん…。
そもそも、何故にパンツ一枚で過ごしているのか…。もしかしたら追い剥ぎにでもあったのかもしれない…。「はっ! まさか、桃太郎の仕業か!」と、話は桃太郎の鬼退治まで遡ることになりそうですが、異常に長くなる可能性が高いのでここで深掘りするのは止しておきましょう。
ただ豆を投げつけられてる鬼はいったい過去にどんな悪業を行い、世の中を恐怖に陥れていたのかは気になりますよね。本当に、豆を投げつけられるほどの罪を犯したのかなぁ………。鬼と人間達の関係が気になるところであります。