80代でひとり暮らしをしているフランス人女性のお部屋を紹介します。日本もフランスも、女性が男性よりも長寿であることは共通していますが、とくにフランスでは高齢になってもひとり暮らしを選ぶ女性が多いそう。フランスの暮らしや文化に詳しいエッセイストのペレ信子さんに、老後を楽しむフランス女性のライフスタイルとインテリアについてお話を伺いました。

ひとり暮らしの部屋
ひとり暮らしでも心地よい空間に
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年齢を重ねてモダン&オリエンタルから少し北欧風に変化

北欧風の部屋

以前、フランス人は年齢を気にせずに友達になるという記事を書きましたが、50代の私には80代のフランス人の友達がいます。若い頃から役職に就いたり、海外勤務するなどバリバリと働いていた彼女は、離婚を経験してシングルマザーになりました。子どもが独立してからずっとひとり暮らしを続けています。

彼女が市街地の19世紀のアパルトマンに住んでいたときによくその部屋を訪れました。趣のある建物の中で、アパルトマンは彼女が好きなモダン&オリエンタルなインテリアでまとめられており、個性的でした。彼女自身のように「かっこいい」印象です。

80歳目前になり、中心地から少し外れた集合住宅に引っ越しました。そのインテリアは、彼女のテーマである「モダン&オリエンタル」に、少し北欧風のほっこりとしたスタイルが加わりました。年齢もしくは気分の変化かもしれません。

そんな彼女の美意識が伝わってくる空間を紹介します。

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家具の揃え方とインテリアを決める自分なりのルール2つ

アパルトマンの様子

おしゃれな彼女のアパルトマン。どうしたらそんな風にできるのか、そのインテリアのコツと彼女が決めているルールを聞いてみました。

●1:家具も雑貨も持ちすぎない

まず第1のルールは「家具も雑貨も持ちすぎないこと」。持ちすぎないために自分に課している選び方の基準は「家族や友達の思い出がある、もしくは大切な人たちを思わせるものかどうか」だそうです。

●2:色と素材がケンカしないものを選ぶ

ただ気をつけなければならないのは、そうした寄せ集めは雑多な印象になることが多いということ。そのため、インテリアを整える2つ目のルールは「色と素材がそれぞれケンカしないものかどうか」。それぞれのバランスと調和に気をつけて部屋に置くものを決めているのだそうです。