日本とアメリカの中学校、その生活スタイルはどのように違うのでしょうか? アメリカ・シアトルに約20年住み、子育てに奮闘するライターのNorikoさんに、アメリカでの「中学校」事情をテーマに現地からレポートしてもらいます。給食や教室移動など、日本とは異なるアメリカの中学校は必見です。

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アメリカの「中学」事情とは?
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給食は全員同じものを食べなくてよし

日本に帰省するたび、わが子は実家近くの学校で体験学習をさせてもらっています。日本の中学では給食の時間があり、そのおいしさに感動。から揚げなどのメインのおかずに、炊きたての白いご飯。日本ならではの献立とその味は格別のようです。

一方、アメリカでは、給食があるにはあるのですが、そのチョイスは日本人にしたら、やや残念なものかもしれません。

たとえば、ピーナツバターとジャムのサンドイッチ、ベーグル、チキンナゲットとフライドポテト、ホットドッグ、ハムとチーズのラップサンドなど。ピザは生徒たちに人気のメニューですが、早い者勝ちなので、列に早く並ばないとなかなか食べられないそうです。

お弁当

近年は多様化、多文化共生、食育を意識し、日によってアジア系、ラテン系、ベジタリアンなどのメニューも選べるようになりました。しかし、うちの子にしてみたら全然魅力的には思えないとのことで、わが家は弁当持参派です。

給食はその都度お金を払えば食べることができ、低所得家庭は補助が受けられます。全員が全員同じものを食べなくてよい、というのは、アメリカらしいといえるかもしれませんね。

教室は教科ごとに移動する

アメリカの時間割

日本でも中学に入れば、クラスの担任はいるものの、科目ごとに専任の教諭が担当しますよね。それはアメリカも同じ。しかし、日本では基本的に教室で生徒が教諭を迎えるのに対し、アメリカでは生徒が教諭の待つ教室に移動するスタイルです。どちらかというと大学のシステムに似ているかもしれません。

教室移動のための休み時間は、たったの5分! 入学式なんてものはないアメリカの中学で、ついこの前まで小学生だった新入生はいきなり、広い校舎にひとり放り出されるようなものです。迷って遅刻はできないので、各科目の教室の位置を必死で覚え、自ら動かなくてはなりません。

科目ごとにメンバーは入れ替わり、同じ学年の子はいますが、同じクラスの子というのは、科目によって違います。日本では学年ごとにクラス替えはあっても、1年間は同じクラス、同じメンバー。その違いは大きいといえるでしょう。

日本はクラス対抗イベントなどでクラスの団結を深める取り組みが行われる一方、アメリカは個々に行動が求められることから自律性が高まり、さまざまな子と知り合って仲よくなれる機会が増えます。それぞれメリットがあり、すでに中学の時点から、なにを重視するのか、お国柄が垣間見えるようです。

ちなみに給食も、日本では教室にとどまり、自分たちで給仕してから一斉に食べ始めることが多いと思いますが、アメリカではカフェテリアに移動し、カフェテリアのスタッフから各々、給食を受け取ります。これもまた、大学のスタイルに近いですね。