片付けの情報があふれすぎて、再現できないことで自分を責めていませんか? 「片付けについての思い込みを捨てれば、ラクになるかもしれません」というのは、約10年、整理収納コンサルタントとして片づけの手伝いをし、『死んでも床にものを置かない。』という著書でも知られる整理収納コンサルタントの須藤昌子さん。片付けられない40代50代が悩みがちな3つのポイントについて教えていただきました。

片付けの思い込みを捨てる
片付けの思い込みを捨てる
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40代50代が手放すべき3つの思い込み

ものがたくさん収まっているクローゼット
ものがたくさん収まっているクローゼット

・片付けの知識があるけれど、上手くできない。
・収納のものをすべて出さなきゃと考えると、そこで止まってしまう。
・1年使っていないものが、捨てられない。

そんな悩みを抱えていませんか? その悩み、じつはほとんどが「思い込み」なのです。

容易に手に入る片付けの情報が原因で、多くの方々が自分を苦しめていると感じます。長年「片付けたい」と願ってきた結果、すがるような思いで手に入れた情報を「その方法に従えば片付く」と思い込んでしまうからでしょう。

しかし、実際にその方法を試してみると、うまくいかないことも多く、その結果、「片付けができない自分」に悩んでしまうのです。

一般的な「片付けの基本」と言われるものが、間違った方法ということではありません。むしろ、私たちの生活スタイルや価値観が多様化しているため、ひとつの方法で片付けを進めることが難しい時代になったということではないでしょうか。

今回は、みなさんが抱える3つの思い込みについて解きほぐしていきます。

1:収納の中のものを「すべて取り出す」

棚からものをすべて取り出した状態

「収納の中のものをすべて取り出す」という片付けのやり方は、たしかに効率がいい方法です。

ですが、持ち物の量、片付けに費やせる時間や体力の差の考慮がなく、だれもが、その方法ができるわけではないのも事実なのです。それにもかかわらず「片付けの基本ができない」「だから片付かない」と思い悩んでしまうのです。

しかし持ち物の量が多いのならば無理をせず、「一日に引き出しひとつの片付け」でも大丈夫です。すべての収納の中にあるものを取り出さなくても、少しずつ不要なものを減らしていくだけで、十分にお部屋は整っていくと思うのです。

そのように、自分の中で縛りをつくらず、人それぞれのやり方があっていいと認められると、もっとラクに片付けができると思います。

2:「ものが少ない部屋」が正解ではない

片付けの正解だと思い込んでしまうものが少ないお部屋
片付けの正解だと思い込んでしまうものが少ないお部屋

SNSなどでものが少ないお部屋や収納にしっかりとものが収まっているお宅を見る機会が増え、それが「片付けの正解だ」と思っていませんか?

ですが、手間をかけて家事をしたい人と効率的に家事をしたい人、家の中で過ごすことが好きな人と外で過ごすことが好きな人、それぞれのものの選び方や持ち方は違って当然ですよね。

にもかかわらず、「片付けはものが少ない状態」「収納にしっかりものが収まっているものだ」と思い込み、自分の暮らしをそこに当てはめようしてしまっているのではないかと思います。

本来、片付けは、すべての人が、同じ収納グッズを使い、ものがあまりない暮らしにすることではなく、それぞれの快適な暮らし方に合わせていくことではないでしょうか。