「老眼かな?」と思ってメガネを新調したのに、眼鏡をかけてもよく見えない、目を休めてもスッキリしない。こういった悩みを抱えている人は、必ずしも老眼(加齢現象)だけが原因とは限りません。「緑内障」という目の病気も、初期症状として見え方がぼやける、物が二重に見えるといった症状が現れることがあります。緑内障は、放置すると失明の危険性もあるため、早めに眼科を受診することが大切。そこで、真鍋眼科院長で眼科医、緑内障専門医・真鍋佑介先生に緑内障予防になる「目を守る秘訣」を聞きました。
すべての画像を見る(全5枚)一生目が見えるために、大切な目を守る4つの秘訣
目は私たちの知覚する情報の8割を担っていると言われ、目から入る情報が生活の質を大きく左右すると真鍋先生は言います。
「現代社会では、パソコンやスマートフォンの長時間使用、不規則な生活習慣など、目に負担をかける要因が増え、さまざまな眼疾患(がんしっかん)のリスクが高まっています。それにもかかわらず、眼科へ行かない人が多いのです。ものもらいやはやり目など、感染性の炎症であれば自覚症状があるのですが、そのほかの眼疾患は気づかないまま進行してしまうことが多いです」(以下、すべて真鍋先生)
そこで真鍋先生に、目の健康を守るために心がけてほしいことを4つ教えてくれました。
●1:定期的に眼科検診へ。早期発見・早期治療が、失明を防ぐ
「目になにの異常もなかったとしても、40歳を過ぎたら1年に1回は眼科検診を受けるようにしてください。
「40歳は、加齢によって目に不具合が出始める節目です。すでに強度近視の人や血縁者に緑内障患者がいる人は、年齢に関係なく早めに眼科検診を受けることを推奨します。緑内障をはじめ、眼疾患にかかる可能性が高いからです」
●2:目に良い食事習慣を。日々の食事から変えていく
「体は食べたものからつくられます。目はとくにビタミン、ミネラル、カロテノイド、脂質(DHA、EPA)の影響を受けます。目は光(紫外線)の刺激を受けやすく、また酸化ストレスに非常に敏感です」
●3:適度な運動・睡眠を。血流を促進し、自律神経を整える
「目は血管や血液の状態、ストレスに敏感です。適度な運動は全身の血行を促進し、目に必要な酸素や栄養素を届けやすくします。さらに、血糖値を下げる効果、眼圧を下げる効果、抗酸化酵素の働きを高める効果なども期待できます。睡眠も、目の疲労回復やストレスの低減に関わります」
●4:適切な治療に取り組むため、目薬や手術について知る
「現在では眼疾患に対する治療法が発展してきました。目薬や手術も日々進化しています。それらを、医師の助言に従って、適切に施していくことが大事です」