親子や夫婦などの人間関係に悩んだとき、理想と現実のギャップに苦しむことがありますよね。実際に“理想の家族”に近づけないジレンマを感じたと語るのは、元祖節約主婦として知られ、カウンセラーとしても活躍する若松美穂さん。そんな若松さんに「家庭環境の悩みがラクになる考え方」を伺いました。
すべての画像を見る(全5枚)家族関係の悩みは身近な人こそ相談しづらい…
現在はカウンセラーとして、さまざまな方のお悩みや迷いを伺っています。なかには、お子さんや夫婦間のデリケートな相談を受けることも。愚痴としてだれかに話すことはできても、実際に起きている、また起きた問題や、ご自身の心情を口に出すことは躊躇されるようです。
理由のひとつとして、友人や身近な人にこそ噂をされたくない、思いを悟られたくない、という気持ちが生まれるのだそう。一方で「本当はモヤモヤした気持ちをだれかに話したい」、「よい糸口があるのならば知りたい」という方もいらっしゃいます。
ちなみに、若松家も決して平穏な家族ではなく、ここまでいろいろと困難がありました。それゆえ、自分が思う“理想の家族”に近づけないジレンマを感じるときも。しかし、今では「プラスもマイナスもあるのがわが家」と考えています。
そこで、家族関係の改善につながる小さなヒントを並べてみようと思います。
1:理想と現実をきり離して考える
先ほど「理想の家族に近づけない」と書きました。じつはこの“理想”がくせ者です。目に見えないぶん、脳内でいくらでも形を変え、大きく膨らんでいきます。理想の夫、子ども、家庭、夫婦。自分に対しては、理想の妻や母親という期待も、知らず知らずのうちに背負っています。
自分のあるべき姿をもつことで向かう先が見え、かなうこともありますから、それ自体は悪くありません。しかし一方で、理想はあくまでも願望であると認識しなければ、ゴールにたどりつけない苦しさに囚(とら)われ続けるでしょう。
だからこそ「理想や願い」と、「今起きている現実」を分けてみる。苦しいですし、時間もかかりますけれど、必ず今後の役に立ちます。
また、願いがかなわないことで、悔しい・悲しい・腹立たしいと感じる人もいるでしょう。ものすごくがんばったのに、結果がついてこない試験結果に似ていますね。辛いですが、“現実”を認める行動が、次につながるステップです。
●理想を実現可能な範囲に見直す
家族は理想どおりにはいかないと知ることは、今後のための大きな収穫に。いら立ちからつい「こうだったはずなのに」と憎まれ口をたたいても、悲しいことに事実は変わらない。一度、過去に掲げた理想や願望は手放して、実現可能な新しい理想・願いを考えてみるのもひとつの方法です。
たとえば「仲のよい家族でいたい」から「ほどほどに会話があるだけよい」というように、ハードルを低めに見直すこともおすすめですよ。
2:カウンセラーに聞いたり、ヒントをもらったりする
最初の段階で自分なりの答えを見つけることができれば、問題はありません。ただし心が弱っているときには、現実を受け止めるだけで精いっぱい。次の一手が自分では考えられないことも多くあります。また、たくさんの対処法を知り、そのなかから選びたい人もいますよね。
そのときは、少し関係性の遠い人が冷静に答えをくれる場合もあります。たとえば、電話相談や対面のカウンセラーを利用し、自分では思いつかない考え方や対処法を聞いてみてもよいのかもしれません。私自身「新鮮!」「自分では思いつかない」「それならできる!」など、予想外の返答に助けられたことが何度もあります。
そして、うまくいくポイントは決定権を相手に委ねないことです。あくまでも考え方のヒントや、将来の一助として耳を傾けることで、あなたの心を救うことになるかもしれません。