広島県の中心に位置する東広島市。酒どころとして知られる市内の西条地区は、県内有数の観光スポットです。カキ、米、レモンなど充実した特産品も魅力で、2023年には県内初のブランド地鶏「東広島こい地鶏」が商品化され話題に。日本酒とこい地鶏を満喫できる、東広島のおすすめスポットを5つご紹介します!

西条酒蔵通りのまち並み
西条酒蔵通りのまち並み

伝統的な酒づくりが受け継がれる酒都西条

2024年12月に日本の「伝統的酒造り」がユネスコ無形文化遺産に登録され、注目を浴びる日本酒。東広島市の西条は、兵庫県の灘、京都府の伏見と並ぶ、日本三大銘醸地のひとつです。広島空港からバスで約25分、広島駅からは電車で約35分とアクセス良好なJR西条駅。

駅から徒歩5分ほどの「西条酒蔵通り」には、東西約1kmの範囲に7軒の酒蔵が軒を連ねます。赤レンガの煙突や、なまこ壁があるまち並みを眺めながら、まずは酒蔵を訪れてみました。

●広島流の伝統的な酒づくりを体感できる「西條鶴醸造」の酒蔵物語体験ツアー

1904年創業の西條鶴醸造
1904年創業の西條鶴醸造

西条酒蔵通りにある1904年創業の「西條鶴醸造」では、「西條鶴 酒蔵物語体験ツアー」を開催中(不定期・事前予約制)。西条のまちや西條鶴醸造の歴史、酒米が日本酒になるまでの工程やこだわりを、普段は一般公開をしない蔵の中を見学しながら知ることができます。

体験ツアーの様子
体験ツアーの様子

この体験ツアーでは、蔵元や杜氏など、蔵のスタッフが日替わりでガイドを担当。「お酒を売るだけではなく、日本の文化である酒づくりを知ってもらい、次世代につなげていくことが酒蔵の役割だと思っています」と話すのは、蔵元の伊野本真彦さん。

ツアーは定員6名の少人数で、各回約45分間。丁寧なガイドとともに酒蔵内を工程順にたどりながら、蔵で使われている道具や機械などの設備を間近で見られる貴重な機会です

試飲やお買い物ができるスペースも
試飲やお買い物ができるスペースも

西條鶴醸造がつくるのは、広島の食材や食事と合わせておいしいお酒。「広島には、お好みソースをはじめとする調味料や瀬戸内の魚介類など、うま味が強いものが多いため、それらに負けない、しっかりとした味わいの日本酒をつくっています」と伊野本さん。

酒蔵見学後は試飲コーナー(有料)もあり、気に入ったお酒はその場で購入できます。参加者にはお土産も。参加費や予約は「ディスカバー東広島」内にて。

●チョコレート店「御饌cacao」で日本酒トリュフをチェック

御饌cacaoの「西条酒8蔵の日本酒トリュフ」
御饌cacaoの「西条酒8蔵の日本酒トリュフ」

酒蔵めぐりを楽しんだあとは、スイーツのお買い物。酒蔵通りにある「御饌(みけ)cacao」は、チョコレートと焼き菓子の専門店です。

看板商品は、市内8つの酒蔵とコラボレーションした「日本酒トリュフチョコレート」(各400円 ※テイクアウト価格)。各蔵の日本酒と酒粕を練りこんだガナッシュチョコを4層の薄いチョコレートでコーティングし、8種類すべて違うフレーバーが楽しめます。

イートインスペース
築150年超えの古民家をリノベーション、座敷のイートインスペースも

「日本酒は洋酒ほど主張が強くないので、あえてお酒の味を前面に出さず、アルコール分も0.4%と控えめにつくりました。普段あまり飲まない方が、日本酒のおいしさに気づくきっかけになってもらえればうれしいです」(チョコレートエキスパート 三宅ゆり子さん)。

その言葉どおり、食べると日本酒の芳醇な風味が口の中に溶け出します。全フレーバーがオリジナルの化粧箱に入った「西条酒8蔵の日本酒トリュフ」(3800円)で、利き酒ならぬ利きチョコを楽しんでみては?

●「道の駅西条のん太の酒蔵」でお土産探し

道の駅
「道の駅西条のん太の酒蔵」の日本酒コーナー「日本酒の小路」

お酒や食材選びは、国道2号線沿いにある「道の駅西条のん太の酒蔵」がおすすめです。2022年にオープンし、酒蔵通りのシンボルである煙突や、赤い瓦屋根をあしらった建物が印象的。東広島を中心とした県内の特産品が購入できる直売所やフードコート、キッズスペースなどを備え、観光客だけでなく地元の人たちの交流の場にもなっています。

風景イメージ
日本酒をはじめ、東広島市の特産品がそろう

日本酒コーナー「日本酒の小路(こみち)」は、東広島市内にある全10蔵のお酒を中心に、定番品から季節商品まで、常時100種類近くがそろう圧巻のラインナップで、サイズも豊富。ほかにも東広島市で多く生産されている米「恋の予感」、カキやジビエを使った冷凍商品などが並びます。

日本酒とも相性抜群! 県内初のブランド鶏「東広島こい地鶏」

料理
東広島こい地鶏を使った「こいちゃん焼き」と親子丼

特産品が豊富な東広島で今、新たに注目されているのが、広島県唯一のブランド地鶏「東広島こい地鶏」です。こい地鶏は広島大学と東広島市によって共同開発され、2023年に商品化。一般的なブロイラーの約3倍の期間をかけて飼育することで、肉本来の味わいが凝縮。ほどよい歯ごたえと豊かなうま味が特長です。こい地鶏を使った料理が味わえる、東広島市内の2店をピックアップしました。

●仙石庭園のお食事処「石庭」のプリプリ&トロトロ親子丼

料理写真
仙石庭園のお食事処「石庭」の「こい地鶏 親子丼御膳」

2020年に日本初の庭石博物館に登録された「仙石庭園」。約1万2000坪もの広大な敷地内には、全国から集められた銘石、奇石、組石を含む3000個以上の石が並び、季節折々の植物や滝、池などと調和して景観を生みだしています。入園料は大人(高校生以上)1000円、小・中学生300円。

お食事処「石庭」でいただけるのが、「こい地鶏 親子丼御膳」(1500円/要予約)。こい地鶏を絶妙な火加減の炭火で焼き上げ、トロトロの卵でとじた一品。卵やスープを取るガラもすべてこい地鶏のもので、プリプリとした歯ごたえと濃いうま味、臭みのない良質な脂を存分に味わえます。

庭園
美しい庭石が並ぶ仙石庭園

そのほか、石庭にちなんだメニューもあり、西条の日本酒もそろっています。「石庭」での食事のみの場合、入園料は不要。美しい庭園を眺めながら、のんびりとランチが楽しめます。

●地酒と肉巻き串専門店「ちゅうしん蔵」のこいちゃん焼き

料理写真
ちゅうしん蔵の「こいちゃん焼」

JR西条駅からすぐのところにある、地酒と肉巻き串専門店「ちゅうしん蔵」では、北海道の郷土料理「ちゃんちゃん焼き」を鶏肉でアレンジした、「こいちゃん焼」(4~5人前6600円)が人気。大きな鉄板の上で、丸焼きのこい地鶏の半身を豪快にハサミでカットし、取り分けていただきます。たっぷりと添えられた野菜は、地元産のものが中心。

のみくらべセット
フライなど、カキのメニューも人気。写真右が「西条全七酒造のみくらべセット」

甘辛い味つけの「こいちゃん焼」に合わせたいのは、やっぱり日本酒。西条酒蔵通りにある7つの酒蔵のお酒が少しずつ楽しめる「西条全七酒造のみくらべセット」(1400円)がおすすめです。

今、西条酒蔵通りにある7つの酒蔵、周辺のカフェなどの協力店、観光案内所で使えるお得な「ほろよい散歩クーポン」を2025年3月10日(月)まで発売中。また、2025年2月16日(日)まで、対象の酒蔵でQRコードを読み取ると、参加飲食店でサービスが受けられる「西条酒蔵ラリー」も実施中。今回紹介した「ちゅうしん蔵」では、「ブランド牡蠣小町と7種飲み比べセット」(1,950円)が特別価格1,500円で味わえます。​

各キャンペーンの詳細や東広島市の観光・日本酒情報は、「東広島市観光協会」、「日本酒10」、「東広島おでかけナビ」でチェックしてください。東広島へ、おいしい冬旅に出かけてみませんか?

 

問い合わせ先/東広島市 産業部ブランド推進課
☎ 082・422・1032