仕事、子育て、健康、お金、将来のことなど、考えることが山積みで、頭の中が“からまる”ミドルエイジ(30代後半から50代)の世代。「Voicy」トップパーソナリティで二児の母でもある尾石晴さんも、以前はそんな悩みを抱えていた1人です。今回は、どのように心の“からまり”をほどき、前向きに生きるヒントを得たのか、お話を伺いました。
「世のなかはそんなに甘くない」。そう感じることばかりだった
──自身初のエッセイ本『からまる毎日のほぐし方』(扶桑社刊)では、ミドルエイジが抱える、モヤモヤとした日常のからまりをほぐし、無理せず自分らしく進んでいくためのヒントが書かれていますよね。尾石さんもそういった“からまり”を感じていたのでしょうか?
尾石晴さん(以下、尾石):リスナーや読者の方からもよく言われるのですが、私も以前は同じように悩みや葛藤を抱えてきました。さまざまなものにからまるようになったのは、30代に入ってからです。
新卒入社した外資系メーカーでがむしゃらに働き、自分ではずっとうまくやってきたマジョリティ(多数派)側だと思っていたのですが、長男の出産を機にいざマイノリティ側(少数派)に立つと「世のなかはそんなに甘くないな…」と痛感することばかり。
女性の性的役割分業や社会構造へのモヤモヤを抱えるなか、毎日分刻みでタスクが降ってくるし、体力は衰えていくし…と悩んでいました。
●モヤモヤを抱えたときこそ、「考えて立ち止まる」
──そこから、からまりをほぐすためにどんなことをされたのでしょうか?
尾石:30代半ばから50代は、担っている複数の役割や家族の都合、加齢などによるこれまでと違う自分と向き合わなければならない年代ですよね。でも、当時の私がそうだったように、漠然としたモヤモヤを抱えていても立ち止まる時間をもつことはなかなか難しい。
でもだからこそ、心に芽生えた漠然とした気持ちをないがしろにせず、「今のこの気持ちってなんだろう」と考える時間をもつことをおすすめします。
“立ち止まって考える”といっても難しいことではなくて、スマホのメモや音声入力を使って“なんか変だな”と思ったことを書き出していくだけで十分。すぐには言語化できなくても、秘めていた気持ちを外在化して客観的に見ることが、からまりに気づき、それをほぐすきっかけになるかもしれません。