忙しい日は、お総菜に頼ることも
忙しい日の楽しみは、ご近所のお弁当屋さんorから揚げ屋さん。ほとんど家で仕事をしているので、キッチンに立つことは仕事モードか暮らしへ切り替えるスイッチみたいなもの。なので、本来なら料理が苦痛に思うことはあまりありません。でも、忙しい日や疲れた日はその気力もなくなっています。そういうときは、犬の散歩がてらにお弁当屋さんによって手づくり弁当を調達します。
家族経営のアットホームなお店なので、温かみがある、おうちごはんとあまり変わりません。そういう意味でも、食事は誰がつくってもいいんじゃないのと思ってしまいます。
から揚げ屋さんでは、から揚げと甘辛たれを買って帰り、お店の看板メニューである揚げ丼にリメイク。炊き立てごはんに半分に切ったから揚げを適量のせて、刻みのり、温泉卵をトッピングして甘辛たれをかければ、そっくりな仕上がりなのに調理時間は3分以下。コスパ的にもテイクアウトメニューよりも安い。工夫しながら財布のひもを締められるところは締めて、ラクする方法です。
手づくりする際も、市販品がお助けアイテムに
市販の素を使ってお手軽に調理するようになりました。手づくり神話とでもいいましょうか。何でも手づくりすることをよしとしていました。出汁はとるもの、つゆはつくるもの、ソースは自家製…。でもそれらは、市販の顆粒だし、麺つゆ、合わせ調味料で賄えます。
自分でつくることは、「ちゃんとしている」「健康的だ」という“こだわり”でしかありません。「市販でいいんじゃないの」という本音に気づいてからは、大いに頼っています。きちんととった出汁はほんとうにおいしい。でも旨味は昆布やカツオ節、いりこからだけにあるものではなく、昆布と同じグルタミン酸が含まれる野菜は、白菜やタマネギ、ニンジンやトマトなどの野菜にもたくさん含まれていますし、カツオ節に含まれるイノシン酸は鶏肉や豚肉だって含まれています。
ということは、豚汁や肉じゃがなどは出汁のいらない料理代表なのです。「これがないと!」と決めつけてしまうと、料理の負担は増えます。少しずつこだわりを手放して“ラクする”調理をしていきます。
60代を過ぎたら、暮らしは小さくシンプルにする。余ったエネルギーを自分のやりたいことに使いきる。そしてよく食べ、よく寝る! この繰り返しで暮らしていきたいと思います。
中道あんさんの新刊『先細らない老後のために、50代のうちにすべきこと』(扶桑社刊)は、発売中。