夫の転勤、家族の介護など、暮らしが変化すると、どうしても消耗してしまうもの。blog「まめ's HOME」を運営するまめ嫁さん(50代)は、夫の転勤で3~4年ごとに大阪や広島などへ引っ越しをする暮らしをしています。その状況下で、40代の頃に直面した親の介護。転勤が多いため、自分の元に呼び寄せることもできず、遠距離介護を決意したといいます。変化の多い暮らし、まめ嫁さんが消耗しないための工夫したことについて教えてもらいました。
すべての画像を見る(全4枚)転勤族なのに、母の介護が発生…選んだのは遠距離介護
私の母は、父が60歳くらいのときに亡くなってから、10年ほどひとりで暮らしていました。あるとき、母の仕事先の社長さんやご近所の方から「お母さんの様子を見に帰ってきてほしい」と電話がかかってきたんです。実家に帰ってみると家がゴミ屋敷のようになっていて、母の認知症が発覚しました。
当時私は夫の転勤で広島に住んでいたのですが、次またいつ転勤になるかわからず落ち着かない状態で、そんな状態で呼び寄せるわけにいかないと、遠距離介護をすることに。
認知症が進行したためグループホームへの入居を決めたのですが、それまでの1年間くらいは毎日電話をかけてどこか変わったところがないか確認をしつつ、月に1回、2泊3泊ぐらいで帰って母の面倒をみていました。
電話をかけたときに繋がらないだけですごく不安になり、ずっと気を張り続けていました。私はひとりっ子なので認知症のことを相談できる人もおらず、ここで気力がきれてしまったら自分が壊れそうな気がして、気が休まる時間は少しもありませんでした。自分を消耗させないために行った4つのことを紹介します。
1:ひとりで抱えず、地域包括や知り合いを頼った
私が母の介護を始めた当時は、まだ私のまわりで介護を経験している人が少なく、知識もなかったので、自分でいろいろ調べてとりあえず地域包括支援センターに相談しに行きました。そのときに話を聞いてくださった方と置かれている環境や悩みが似ていたこともあり、とても親身になって話を聞いてもらうことができたのがありがたかったですね。
介護に関する疑問や相談に対して、ワンストップで対応してもらえるので助かりました。ケアマネージャー、保健師、社会福祉士、介護士など、介護分野のプロフェッショナルの人たちのお世話になることができ、遠距離介護でも不安を解消することができました。
そのほか、近所の知り合いに助けてもらえたのも安心感を得られました。
2:母が誤った判断をしないように成年後見人の手続きをした
実家に帰るたびに、母が新聞の契約を重複して結んでしまうことが発生して困っていました。新聞だけならまだよいですが、母がひとりのときを狙われて、悪質な契約を結ばれてしまったら…と考えたら怖くなりました。法律上、実子であっても契約者以外が解約することはできないので、認知機能が低下した母に代わって利用契約の締結や医療費の支払い、不動産や預貯金などの財産管理、医療・福祉サポートを受けられるようにするため成年後見人の手続きをしました。
成年後見人になるために必要書類を家庭裁判所に送る必要があり、手間や労力は少し増えましたが、不必要な契約を解除することができるため、そのあたりの不安や心配はなくなり、気持ちが少し軽くなりました。