親子関係は親密がゆえに、言いたいことが言えなかったり、距離をとりたくてもとれなかったりなど、その関係がつらく感じてしまうことも…。ここでは、女性たちのさまざまな悩みに向き合ってきた産婦人科医・高尾美穂先生に、親とうまくつき合っていくためのヒントをお聞きしました。

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親子関係にまつわる悩みに、高尾美穂先生がアドバイス。(※画像はイメージです)
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親の呪縛から抜け出すには?

お悩み「親はできのよい子には明らかに優しく、私はできが悪いと嫌われて育ちました。そのせいか自分でも自分を大事にできません。なにか違うとらえ方はできないでしょうか」

●どんな人生を送るかを決めるのは自分

親の言うことを聞く子はいい子、勉強のできる子はいい子、言ったとおりにする子はいい子…そんなふうに見られることは昔からよくあったと思います。

この方がもし独立してもいいような年代であれば、時代が変わっていっている今、親や身内の評価をいつまでも引きずるのはもったいないのではないでしょうか。これからは親や身内の方との関係性はきっと薄くなっていきますから、影響は少なくなっていきます。

また、これまでに受けた親からの評価は、あくまで人から見た評価でしかないと考えてよいのではないでしょうか。これからの人生をどう送るかに関しては、本来ご自身が決められることです。きっと自分は変われる。自分の人生は変えられる。私はそう思っています。

私自身も変わっている子と思われながら過ごしてきましたが、今なにかすごく困っているかと言われると、そうでもないんですよね。また、結局のところ、かつての自分ではなく、その後変化してでき上がった自分そのものが評価される訳です。つまり、自分で変わっていこうと思えば、いくらでも変わっていくことはできて、変わっていくか、変わらないかを選ぶのも自分次第な訳です。

この方が今の自分の状態でいいと思うのであれば、そのままでいいと思います。でも、今の状態がいまいちだな、自分を大事にできていないなと思っていらっしゃるのであれば、親や身内にされたことではなく、変えられていない自分に目を向けてみるといいんじゃないかと思います。