毎日、家族が使う冷蔵庫。ただ漫然と食品を入れていると、ゴチャゴチャするし、賞味期限間近の食品が奥に追いやられてしまう…なんてことも。
ここでは、冷蔵庫収納家の福田かずみさんに、冷蔵庫を使いやすくするためのグッズ選びについて教えていただきました。

冷蔵庫収納家の福田かずみさんが冷蔵庫からものを取り出す様子
毎日使う冷蔵庫の収納を工夫しましょう
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トレーやキャニスターを活用して美しく、使いやすい冷蔵庫に!

使いやすい冷蔵室にするために、トレーや容器を取り入れてみたいけど、なにを買ったらいいかわからない。とりあえず100円ショップに来てみたけれど、グッズがたくさんありすぎて選べない…。そんな方は必見です。きっと、ご自分にあった収納アイテムが見つかるはず。

●基本の冷蔵室収納:浅型トレー

キッチントレー
・キッチントレー(ワイド) キャンドゥ 34.8cm×12cm×高さ5cm

まずは、基本の冷蔵室収納として、浅型のトレーをそろえましょう。コツは、冷蔵室の奥行きにあったものを選ぶこと。
奥行きより短いと手前にあきスペースができてしまい、ついついものを置いてしまいます。すると、トレーを引き出すのにジャマになってしまい、気持ちよく使い続けることができません。

どうしても奥行きより短いトレーしか手に入らない場合は、奥にあきスペースを設け、そこには、使用頻度の少ない、たとえば、粉もののストックなどを置くようにしましょう。

では、この浅型のトレー、どんなものを収めるとよいのでしょう。

浅型トレーの収納例

こちらは、納豆と豆腐を入れています。わが家の定番品です。冷蔵庫の定番品とは、食べ終わっても、また買っておきたい食料品のことを言います。

みなさんの冷蔵庫にも、定番の食材がありませんか? そんな定番品は、定位置を確保してあげましょう。トレーを置くことで、ほかの食材に紛れて見えなくなってしまうことや、ほかのものに押されて移動してしまうのを防ぐことができます。

不動のスペースを確保できるので、買い物から帰ってきたときも、置く場所に迷いません。

でも、注意をしてほしいことがひとつあります。それは、たとえば納豆と決めたトレーには、基本的に納豆以外の食材は入れません。ここは、がんばって習慣にしてくださいね。

みなさん、卵を取り出すときに、迷う方は少ないと思います。それは、冷蔵庫メーカーが卵を定番品と定め、定位置を確保してくれているからです。

卵のトレー

卵のトレーは、ひとつひとつを入れられるよう特別な構造をしているので、ほかの食料品を入れにくいこともあり、がんばらなくても卵置き場専用として定着しているのですね。

定番品の定位置は、卵置き場のように確立できることが理想です。

まずは、わが家の定番品はなにかな? いつもどんな食材を買ってくるのかな? と家族の食生活を振り返ってみましょう。

きちんと定番品を見定めてから、定位置を確保するためのトレーを買うと安心ですよ。

●基本の冷蔵室収納:深型トレー

カトレケース
・カトレケース(L型) セリア 20cm×15.7 cm×高さ9cm

深型トレーには、使用頻度が少ないものを入れます。目隠しすることを目的に白を選んでいますが、中が見えないと忘れてしまう…という方は、半透明やメッシュタイプのものにしましょう。

このような深型の容器には、どんな食料品をいれるとよいのでしょうか。皆さんの冷蔵庫の中に、使いかけの乾物類はありませんか? 毎日使うことはなく比較的出番の少ない食材です。

通常、乾物類は常温の棚で売られていますが、開封後は冷蔵保存をした方がよいものがあります。とくに、煮干やクルミなどのナッツ類は、油脂を含みますので、油の酸化を防ぐために低温保存が望ましいです。

使いかけの乾物
使いかけの乾物は冷蔵庫へ!

また、ドライフルーツのなかでも水分量の多いプルーンやマンゴーなども、カビの発生を防ぐことができます。
その他、うま味の強い食品も、これからの時期はダニの発生が気になります。長期的に少しずつ使う乾物類は、冷蔵保存が安心です。

●出番の多い食材には、デイリー用の容器を選んでみよう!

さて、先ほど紹介した乾物類のうち、毎日使う食材は、ぜひデイリー用容器に移し替えましょう。
深型容器に入れるのは、あくまで使用頻度の低い食料品。かさばる袋ものの食材を大雑把にまとめて収納することに適していますが、取り出しやすさには欠けてしまいます。

そこで、頻繁に使う食材は、フタの開閉がワンプシュで行えるキャニスターをおすすめします。

たとえば、ボタンを押すとフタがあくワンプッシュキャニスター。取り出しやすくて、使いやすく、さらにしまいやすくの三拍子がそろいます。
おみそ汁に使う煮干や、きな粉、青のりもわが家では頻繁に出し入れする乾物です。

袋のままだと、粉類がジッパーの間に溜まり、何度も使っているうちに、封が閉まらなくなってしまいます。
毎日少しずつ摂り入れたいナッツ類も、このようなキャニスターなら気持ちよく取り出せますね。

●気になる粉ものは、2パターン収納で解決!

「冷蔵庫に入れたほうがいいですか?」との質問が最も多いのは、小麦粉などの“粉もの”についてです。
ぜひ冷蔵庫にて保存しましょう。とくに、これからの高温多湿になる季節は、粉ダニの発生が心配されます。

もし冷蔵庫に入らない…とお悩みの方は、今、冷蔵庫にある食べものが、本当に必要なのか考えて整理整頓しましょう。

そしてやっと冷蔵庫に入れた小麦粉。いざ使おうとしたときに、取り出しにくいということはありませんか?

クッキーやケーキを焼くときは別として、日常的に小麦粉が必要になるシーンはいつでしょう。から揚げやコロッケの衣をつけるときでしょうか。

肉に小麦粉をまぶす様子

調味料を絡みやすくしたり、しっとりやわらかいまま火を通すためにお肉に粉をまぶしておくという方も多いかもしれません。

そこで、このような間口の広いキャニスターを紹介します。

アクリルキャニスター
・タケヤ 保存容器 アクリルキャニスター 620ml SW-C620

こちらには、小麦粉と片栗粉を。そして、持ち手のない茶こしを一緒に入れています。粉を叩く際に重宝しますし、おさじとしても活用しています。
ちなみに、茶こしは、入れっぱなしにすると調理がスムーズに。

粉もの収納デイリー用

さあ、これで日常の粉もの使いは、快適になりました。

でも、小麦粉など1kgで買い求めると、こちらの容器に入りきれませんね。

そんなときは、ストック用として冷蔵庫のいちばん上の棚へ。トレーの奥を定位置として、収納します。

粉もの収納ストック用

デイリー使いとストック用は、分けて収納する。2パターン収納で、快適な冷蔵室収納になりました。

●冷蔵庫にある食材に気持ちを寄せて

毎日あける冷蔵庫の中には、今どんな食べものがありますか? 家族が好きな食材から、健康のために毎日摂り入れたいものまで。
もし、なにが入っているかわからないという方は、一度見直してみてくださいね。

食材

今日は、使いやすい冷蔵室にするための収納アイテムを紹介しましたが、いちばん大切にしてほしいことは、食べものを最後までおいしくいただくこと。そのための冷蔵庫収納であってほしいと思います。