WEBやインテリア雑誌で見る、おしゃれなフランス人のインテリア。シックなのにさりげないナチュラルさがあったり、個性的であったり。どうしたらそんな空間がつくれるのか。フランス文化研究者・翻訳家のペレ信子さんが、フランス人に聞いた、招きたくなるフランス流のインテリアのコツをレポートします。

インテリアのルール
さりげなく見えるすてきインテリアにもルールがある(※画像は全て著者撮影のイメージ写真です)
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1:フランス流おしゃれなインテリアの基本は「左右対称」

建物全景

雑誌の「世界おしゃれスナップ特集」で必ず取り上げられるフランス人のファッション。力が抜けているのに雰囲気があってすてきです。インテリアも同じように、パリでも地方でも自分のプライベートな空間をおしゃれで個性的に飾っている人が多いと感じます。

パリのアパルトマン、地方のファームハウス、ヴェルサイユ宮殿の一室、建物の規模やスタイルが違っても共通している1つのルールは「シンメトリー、左右対称」を基本にしていることです。「左右対称」はフランス人が小さいときからよく目にするバランスです。

玄関のコンソールテーブルの両端に左右対称で同じランプを置く。窓の両側に同じ大きさの額に絵を入れて飾る。簡単で取り入れやすいルールですが、それだけで落ち着いて見えるので我が家でも取り入れています。

2:インテリアデザインのスタイルや様式を合わせる

廊下

どんなインテリアにするかはそれぞれの好みですが、フランス人の、とくに私たちの親世代のインテリア好きは、インテリアの様式をそろえることを守っているようです。たとえば、優美で華のある「ルイ15世様式」、もう少しシンプルな「ルイ16世様式」などです。馴染み深くない言葉かもしれませんが、フランスの王様たちと取り巻くご婦人たちはその時代のインフルエンサーでした。彼らの好んだ様式が当時流行して今でもその名前が残っています。

私の知っている、パリのシックな高級住宅街に住むある女性は、ルイ16世様式でインテリアをそろえていて家具を選ぶときはそのスタイルで統一するようにしているとのこと。

ただ、そのルールだけですべてそろえると、まるで博物館にいるようで古い印象のインテリアになります。それでも様式をそろえることを意識すれば、段ボール箱や殺虫剤など部屋にスタイルと合わないものがあることを感知するセンサーが敏感になる気がします。