明らかな不要物を「捨てないで」と言われたら

まだ終わりが見えない実家じまいを進める中で、須藤さんが学んだこととは。

鍋やフライパン、食器類
鍋やフライパン、食器類
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「自分たち以外のだれかがものを動かすことで、暮らしが変わってしまう、目の前のものを失いたくないという恐怖が義両親の中にあったのだと思います。でも、心にも収納スペースにもゆとりが必要で、私たちには私たちの生活がある。義実家の片づけだけに時間を使うことはできません。明らかな不要物を捨てないでと言われ、説得するのが難しいなら、『倉庫に預けてあるから大丈夫』と言って安心させてあげればよかったのかもしれないと思うようになりました」

50代以降で「ものをたくさんもつ」ということ

服を捨てる

そして同時に、この苦労を自分の娘にはさせたくない! という気持ちも湧いてきたといいます。

「いつ自分や夫が認知症になるかも分かりません。これからの暮らしに、ものをたくさんもつことはどういう意味を持つのか? とよく考えるようになりました。自分がいなくなった後、ものの処理に翻弄される子どもの姿は見たくありません。今のうちからものを減らし、書類などの大切なもののありかはほかの人に分かるようにしておかなければと強く思います」

須藤さんの体験談は、今と将来の自分の暮らしに大きく役立つはず。今からできることをぜひ始めてみてください。