ものを捨てることが苦手な人は、捨てることから始める片づけにとまどうこともあるのではないでしょうか。インスタグラムで片づけについて発信する整理収納アドバイザーの松本まどか(まどなお)さん(フォロワー1.2万人)は、もともと捨てられないタイプ。そこで捨てることを目的としない片づけを始めてから、すっきりした家を保てるようになったといいます。そのコツを教えてもらいました。

すっきりした部屋
捨てるのが苦手でも、部屋はすっきり整います
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「片づけ=捨てる」の概念は捨てていい

片づけをする女性

現在は家じゅう丸ごとすっきり整っていますが、昔は「捨てるのが苦手」で、ひと部屋丸ごと物置きになっていたこともあったという松本さん。整理収納のことを学んでいくにつれ、“片づけ=捨てる”ことではないという意識改革をするようになったと言います。

「ものを手放すメソッドが広まったことで、私自身もものを捨てることが片づけだと思っていたこともあります。SNSや本などを読み漁り、即捨てリストに沿ってものを捨てようとしたり、とりあえずものの量を減らすことを優先して片づけをしていました。でも私の場合、どうしても捨てることから入る片づけは難しく、捨てるかどうか迷ってしまってなかなか進まなかったり、少し捨ててもまだ入りきらない…ということもしばしば。そこで行き着いたのが、捨てることを目的としない片づけでした」

すべての収納場所を決めてから、ものを仕分ける

表
松本さん作成

捨てることを目的としないとはいえ、片づけにおいて、ある程度はものを手放す必要もあります。松本さんは、なにも定まっていない状態でものを仕分けるよりも、ゴールを決めてからのほうが仕分けやすいと考えています。

「以前は『日用品のストックはひとつまで』『タオルは5枚まで』などの一般的なアドバイスに沿って最初にものを手放すことをしていましたが、その家庭ごとに必要なものの適正量は違うので、収納スペースの大きさに合わせて臨機応変に仕分けるようにしました。たとえば、『日用品は階段下の物置きに入る分だけ』『食材のストックはキッチン横のスペースに置ける分だけにする』というように、収納場所と収納できる量をあらかじめ考えておくことで、もてる量の全体像が把握できます。

つまり、まず捨てるものを決めるのではなく『ここに入る分』という収納スペースを決め、そこに収納できる分を目指して減らしていくほうが効率的に進められます」