日本では毎日する人が多い家事である掃除や洗濯、買い物。フランスでは週1回にまとめてやることが多いそうです。フランス文化研究者・翻訳家のペレ信子さんが、なぜフランスではまとめてやっているのかを語ります。

部屋の中
フランスの家事事情(※画像は全て著者撮影のイメージ写真です)
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週末仕事のナンバーワンは「洗濯」。洗濯物は1週間分まとめてやる

洗濯棚

各家庭のリズムはあると思いますが、フランス人が絶対にまとめてやる家事の代表が「洗濯」です。

梅雨や湿気がある気候の国に住む私たち日本人は、家族や子どもがいればなおさら、こまめに洗濯することが多いと思います。それに対してフランスでは洗濯は週に1回。大量の衣類やシーツ類を週末に洗濯します。

白いものと色柄ものを分けて洗濯するので、洗濯物をストックするバスルームにはランドリーバッグが2つあります。この洗濯物の選別作業がじつはとても大事です。

というのはフランスで普及している洗濯機には「綿、麻、白いもの」というメニューがあり、それを選ぶと90度くらいの高温で洗濯されるうえ、殺菌効果があります。でも、間違えてそこに繊細な生地のものを混ぜてしまうと、その繊細な服は二度と同じ姿で洗濯機から出てくることはありません。

色柄ものには「化繊、色柄もの」という40度くらいで洗うコースを選びます。私はフランスに住んでいるとき、90度で洗うのがどうしても怖くて、なんでも40度で洗っていました。

大量の洗濯物を地方や郊外の一軒家なら庭に干すこともありますが、市街地だと景観を守るためバルコニーに洗濯物を干すのを禁止されているところが多くあります。そのため、乾燥機にかけて乾かすことになります。

素足で歩かない家の中、掃除機をかけるのも週1回

フランスの部屋の中

フランスのアパルトマンや家では床材が木製であったり、タイルやリノリウム(天然素材から生まれた床材)であることが多いので、普段はスリッパのような部屋履きを履くことが多いためか、床に掃除機をかけるのは週1回です。

もちろん、小さな子どもや赤ちゃんがいる家ではもう少し頻繁に掃除機をかけることもあります。小さな子どもは床に座って遊んだり、寝転んだりすることが多いからなのですが、それは日本と同じですね。

フランスでは一般的で、日本の一般家庭であまりない掃除道具としては、モップがあります。すべての人とは言いませんがフランスでは掃除機のあとにモップをかけて念入りに床をきれいにする人もいます。

パリの中心街のちょっとしたミニスーパーでも、モップやモップ絞り器つきのバケツが売られています。