――ときには、息子さんから「これを入れてほしい」「こんなお弁当がいい」などと言われたりもしましたか?

笠原:高校生の男子なので、弁当をつくってもいつも反応は素っ気なかったんですけど、たまに「今日のおかずはうまかった」とLINEがくることもありましたね。でも、クレームもいろいろありましたよ。「手羽は手が汚れるからいやだ」「キノコは入れないでくれ」「ふりかけは鮭だけにしてくれ」とか。息子は野菜の好き嫌いも多いんですが、ニラとブロッコリーが入っていると喜ぶので、彩りだけはいつもバッチリでした。でも、だれに似たのか細かい性格で、隣に入れたおかず同士の味が混ざるのもいやがるので、100円ショップでおかずカップを買ってせっせとつめていましたよ。理想をいえば、わっぱにおかずがぎゅっと見栄えよくつまったかっこいいお弁当にしたかったんですけどね(笑)。おかげで、僕も弁当づくりの腕が鍛えられました。

――お弁当って毎朝一からつくるのはしんどいですよね。つくりおきおかずなども活用していたのですか?

笠原:肉を焼いたり、エビを炒めたりといったメインのおかずはその日の朝につくりますが、隙間を埋める小さいおかずは、前日の夜につくったりもしていましたね。あとは前の晩の晩酌のつまみの残りをつめたり。煮びたしやあえ物、キンピラ、じゃこ炒めみたいな常備菜っぽい副菜は日もちするので、たっぷりつくってストックしておくと本当に助かりますよね。

副菜は、冷蔵庫をのぞいてアドリブ的につくれば十分

笠原さん
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――副菜は便利な一方で、なにをつくればいいか迷うという声もよく聞きます。献立を考えるときに副菜はどうやって決めればいいのでしょうか?

笠原:メインのおかずは、みんな簡単に決まると思うんですよ。そしたら、あとは主菜にない味や食感を副菜に当てはめていけばいいんです。たとえば、今日は「ハンバーグにしよう」となったら、こってりしたデミグラスソースには、さっぱりしたサラダが合うなというように。主菜のイメージを頭に思い描いて、ほかにどんな味や彩りのものが食卓にあったらいいかな? と想像力を働かせることが大事ですよね。逆に主菜があっさりしたものなら、副菜には準主役になるような卵を使うとかね。

――主菜が決まれば、おのずと副菜の方向性も決まってくるということですね。

笠原:最初はレシピ本を見ながら副菜をつくればいいけど、料理に慣れて自分の味が出せるようになってきたら、最終的には副菜って冷蔵庫に残っているものでアドリブ的につくるので十分だと思うんですよね。そうやって家にある食材を上手に食べきるのが、家庭料理なんじゃないかな。

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