ペットの柴犬の写真をX（旧Twitter）に投稿し続け、その自然体のかわいさが人気となっている＠inu_10kg。ESSEonlineでは、飼い主で写真家の北田瑞絵さんが、「犬」と家族の日々をつづっていきます。第70回は「犬の10歳の誕生日」についてです。
ついに迎えた、10歳の誕生日
2024年5月7日、犬が10歳の誕生日を迎えた。
誕生日はお出かけでもしようかなんて企てていたが、朝から雨が降っていて散歩も満足にいけそうにない。そういえば昨年の誕生日も雨だった。
雨なので家の周りを軽く散歩したが、すぐさま犬は家の中に向かって漫画であればピャーッ！ と効果音がついて煙が出るような足取りで駆け込んだ。以前はそうでもなかったが、雨の散歩をずいぶん嫌うようになったなぁ。
「いったん休憩しよ！」と犬に声をかけ、Yogiboにもたれて布団をかぶる。両足を開いて犬がはいる空間をつくっておくのだ。
思惑通り犬はやってきて「ほな失礼しまっせ」と言わんばかりに私の片足をまたいで入ってくる。ようこそ。両足のあいだでくるくる二回転ほどして尻もちをつく。
そして収まると、さらにごろ～んと横になって、最後にひょこっとアゴを私のふとももにのせて落ち着いた。天国だ、犬とYogiboにはさまれた至福のサンドイッチである。
ここ最近はネットショップであるカメラの商品ページを覗くのが習慣になっている。買おかな、どうしよ、GWに安なったりするんかな？ …あ、安なってへんわ…と逡巡すること早1か月。
自分の誕生日になにかを始めたり購入したり、決断する人は多いらしい。誕生日は力がみなぎったり、変身願望が高まるのだろうか。私は幼少期から誕生日が嫌いで一日を凌ぐのに精一杯だった。
その代わりかは分からんが、近年犬の誕生日には普段影を潜めている積極的な私が「よぉ！」と顔を出してなにかとアクションを起こしていくのだ。石橋を叩いた上で渡らん山羊座の私は、朗らかな牡牛座の犬に「みずえいっちゃいな！」とちいさな前足に背中を押されるのだろうか。
ちなみに私は十二星座占いでは山羊座と牡牛座をチェックする。足の間から犬の寝息が聞こえ始めた。あごが乗っている足がしびれてきた。よし、と眉間に皺を寄せ1か月ながめていたカメラに決断を下す。犬の誕生日に買ったカメラで犬の写真を撮ろう。撮らせてくれる？
