年齢を重ね、自分の変化が受け入れにくかったり、ついイライラしてしまうと悩む人は多いもの。SNSでファッションやライフスタイルを発信している61歳の金子敦子さんもそのひとり。そんな金子さんが、加齢を受け入れらるようになった理由やイライラから解放される考え方を教えてくれました。

金子敦子さん
金子敦子さん。ライフスタイル本『ヤッホー! 60歳』(扶桑社刊)より
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加齢による変化に正面からあらがわない

加齢による変化は、あまり気にしていません。年を重ねればおばあちゃんになるのは当然のこと。シミは太陽を浴びて楽しく遊んだ証し、笑いジワは人生の勲章です。

でも50代前半はそう思えなくて、悪あがきもしました。50歳を過ぎたら肌の衰えが容赦なくて、自分が自分でなくなるような恐怖感。ある日、鏡を見て「急に老けたんじゃない?」と感じて、このままではいかん。今、なにか手を打たねば! と思いました。

そのときは「科学の力で赤ちゃんみたいな肌になりたい」と本気で思っていました。美容皮膚科でレーザー治療、美白効果のあるハイドロキノンやビタミンCを飲むなど、いろいろやってみましたが、効果は微妙…。今、思うと50代で赤ちゃん肌だなんて、欲張りな発想でお恥ずかしい限り。そのころの私は、世阿弥(ぜあみ)の言葉を借りると、年齢の若さゆえの一時的な美しさ“時分の花”にすがりついていたんです。

そんなときに出合ったのが、美容形成外科医の宇津木龍一さんの著書『肌の悩みがすべて消えるたった1つの方法』(青春出版社刊)。“肌はなにもしないほど元気になる”という肌断食の考え方を知って、ワセリンひとつのスキンケアに変更。本によると、汗がいちばんの美容液だそう。もっと早く知りたかった~。それ以来、調子がよくなって、悩んでいたことは忘れてしまいました。スキンケアも軽く! ですね。

外見より人間力を上げたほうがずっと魅力的

今は外見を気にするより内面を磨いて、年齢とともに美しくなりたい。本を読み、映画を見て、人とたくさん話して、人間力を上げたほうがずっと魅力的だと思います。肌が元気ないなと感じたら、栄養をつけて、運動して、お風呂に入って、しっかり寝ればいい。夢中になって好きなことを続けていれば、年齢なんてどうでもよくなります。

これからは加齢に正面から向き合って、“まことの花”を咲かせることができるような、前向きな生き方が目標です。“まことの花”とは時分の花の対義語で、日々の鍛錬と精進によって初めて咲く花のこと。老いて自分という木が枯れても、本質的な花は残るのです。
ただ、加齢にあらがいたいことがひとつだけあります。一生、自分の足で歩きたい! 日々歩いて、足腰を鍛え、なんとしてもあらがっていきたいです。