画廊と美術館での学芸員経験をもち、現在は美術エッセイストとして活躍中の小笠原洋子さん。高齢者向けの3DK団地でひとり暮らしをしています。年金暮らしの小笠原さんは、自他ともに認める節約家で、1日1000円というルールで生活をしています。そんな小笠原さんの美容法について紹介します。

鏡をみる小笠原洋子さん
小笠原洋子さん
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割引きで購入したオールインワン1本の簡単美容

「究極の美容法」といえば、高級化粧品を使い、手間をかけた念入りなケア法を思い浮かべられる人も多いのではないでしょうか。節約暮らしをしている私の美容と言えば、500円で買ったアイテム一品、しかもたった1分で仕上がるお手入れです。

オールインワン

注目に値するその化粧品とは、化粧水と美容液と乳液と下地クリームと紫外線カットがオールインワンになったゲル(100g)で、最初に見つけたときは1000円近い値段だったので購入をためらいました。肌に合わないなどの失敗のリスクも考慮すると、私には高すぎたのです。それがある時、特価の半値で売っていたので飛びついてみました。

両手の人差し指にとり、軽く顔に塗って伸ばします。ゆるいクリーム状で肌に吸い込む心地よさがあります。毎朝これだけ。いわゆる肌の簡単お手入れです。私にとってお化粧とは、その程度のものなのです。

メイクは簡易的に行うことが基本

突然ですが、平安時代の作家・清少納言さんは、だれに会うというためではなく、自分のためにお化粧をしているそうです。香を焚きしめた着物を着て、部屋でくつろぐときこそ、とても気分がいいと作品に書かれていました。昔も今もお化粧とは、まずは自分の気持ちを整えたり楽しんだりするためにあるようですね。

私の場合は、そもそもお化粧を始めた20代初め、一応はさまざまな化粧品を試してみたものの、どれも興味が長続きしませんでした。アイラインもアイシャドウも目が重く感じたりかゆくなったりする。眉は先を細くすると、自分の顔ではないような気がして感じてやめました。チークは、もともと赤ら顔だったので、とくに使用しません。

そんな試行錯誤をし、20代後半からは、ファンデーションと口紅だけの簡単なお化粧に落ち着き、ずっとそうなっています。現在では、ファンデーションを使わないこともあり、鼻など部分的にパフを叩く程度です。

夜のケアだけは高価な化粧水を使用

化粧水と乳液

季節によって肌の状態は変わるので、乾燥しやすい秋冬には保湿用クリームを、春夏にはUVカットクリームはしっかり塗るようにしています。洗顔は、泡立てた石けんで丁寧に汚れを落とします。

それでも、洗顔後は肌がつっぱるので、夜の化粧水と乳液のベースのケアは長年欠かさないようにしてきました。そこで使う化粧水は3000円台のものです。私にとってはとても高価な一品ですが、直接肌につけるものなので、自分に合うと思われる商品を使い続けています。

もちろんすべてのアイテムを高額なものにできないので、乳液、保湿剤、日焼け止めクリームどはどれも1000円以下の商品です。

節約家は最後まで使いきることが大事

リップクリーム

節約家の私は貴重な化粧品は一滴残らず使うことを大事にしています。たとえばチューブ状のクリーム類は、じつはまだ残っていることが多いのです。最後に出なくなるまで絞りきった後、底から数センチ上をハサミで切り落としますと、身にも底にも必ずクリームがたっぷり残っています。どちらも、爪楊枝などで取って使うと、驚くほど何度も塗れるものです。

余談ですが、ほかにも歯みがき粉、あるいはカラシやワサビやケチャップやマヨネーズなどチューブ入り調味料は、すべてこの方法で中身を全部使いきっています。

※ 使用期限などにはご注意ください