セカンドライフは自然が豊かな場所で…。そう考えて移住するシニアが増えています。ここでは、2015年に東京から千葉県の海沿いに移住した伊藤はなよさん(現在63歳)の例をご紹介。築38年日本家屋で、夫婦ふたり暮らしを満喫しています。

伊藤はなよさん
伊藤はなよさんの移住ライフ
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都内のマンションを売却し、千葉に移住。ものも厳選するように

介護していた実母を見送ったあと、2015年から少しずつ千葉に拠点を移してきた伊藤さん。そして昨年、東京のマンションを売却して、ローンを完済。

「95平方メートルのマンションから、家と庭を合わせて360平方メートルと住まいは大きくなりましたが、固定資産税は5分の1に。ポタジェガーデン(花と菜園を同居させた庭)のおかげで食費も減って、支出は東京の暮らしの3分の2か、それ以下です」(伊藤さん、以下同)

自然に近いこの土地に住むようになってから、おのずと環境について考えるようになり、前にも増してものを買うことには慎重になったと言います。

「なるべく長く使えるものを。そして、“自分ではつくれないもの”を中心に買うようになりました。ここに移住したこと自体が、わが家にとっては大きなうるおいとなりましたが、自分にもできるサステナブルを模索する毎日が楽しいです」

サステナブルを意識しながら移住ライフを満喫

自宅から400mほど歩くと美しい海があります。

「運動と気分転換を兼ねて訪れるうちに、ゴミが気になるように。そこでゴミ袋を持参して、毎日1袋ずつ集めています」

風呂場

お風呂場から浴槽や洗い場をすべて撤去して、納戸にリフォーム。冬はストーブを置いて自宅全体を温める暖房室にも! 廊下につながる引き戸は、ニッチ(壁の厚みを利用して設ける棚)風にして、フェイクの本棚を製作。本まで段ボールを使った手づくりです。

棚

大正時代~昭和初期のものと思われる、たばこ屋さんの陳列ケースをディスプレーに使用用。木の部分を周囲に合う色に塗装して、脚にはキャスターをつけました。ガラス棚にはサボテンを入れています。