高齢者向けの3DK団地でひとり暮らしをしている美術エッセイストの小笠原洋子さん。節約生活をしながらも、エレガントさを忘れない、心豊かな暮らしぶりが人気です。小笠原さんの住まいの基準は、ものを最小限にすること。必要不可欠なものだけで暮らすことが節約にもつながるからだそう。ものを上手に手放し、3DKに収まったすっきり暮らしを紹介します。
すべての画像を見る(全7枚)「1日1000円」ルールでも知恵を絞って豊かな生活に
幼い頃から倹約家だったという小笠原さん。長年培ってきた節約の知恵を生かしながら、これまでの蓄えと年金で暮らしています。
「日々、お金をなるべく使わないように努めてきた結果、現在は1日1000円以内で暮らすのが定着しています。かつては1日300円、500円と実践してきましたが、無理なく続けるのが私のモットー。お金をかけないながらも、常にエレガントな姿勢を忘れないよう心がけてきました」
小笠原さんの節約のルールには、「ものは買わない」「ものをとことん大切にする」「捨てる前に再利用を考える」の3つがあります。
「いかに知恵を働かせてお金をかけず、心豊かに暮らせるか。そんなケチに満ちた生活を“ケチカロジー”と名づけました。自分らしく自由でいられるこの暮らしを、私は日々楽しんでいるのです」
●小笠原さんの節約ヒストリー
10歳:貯金に目覚める
23歳:就職。1日300円生活に挑戦
25歳:無理が生じ、1日500円生活にアップグレード
45歳:正社員の仕事を退職。アルバイトをしながら、1日1000円生活を定着
65歳:年金受給開始。いっそう節約志向になる
70歳:「ケチカロジー」という言葉が注目され、メディアの取材を受けるように
ラグやキッチンマットは置かず、空間を広く見せる
床を広々と見せるのが小笠原さん好み。
「かつて実家を片づけたとき、じゅうたんの処分に苦労したことがあり、不要だと判断しました。すっきりした最大の利点は掃除がしやすいことです」
手製のモビールをカーテン代わりに
「カーテンはホコリがたまりやすいので、メモ用紙でつくったモビールを窓の目隠しにしています」。ほどよく外も眺められ、陽射しがきれいな模様をつくってくれるお気に入りの場所。