おいしく簡単な時短&節約メニューがESSE読者からも大人気の料理家・みきママさん。ブログやインスタでは、家族のためにつくり続けた毎日の料理とともに、子育てに奮闘する姿も発信してきました。昨年春には長男の「はる兄」が現役で東大に合格。繊細な受験期、どのようにコミュニケーションをしてきたのでしょう。2人に話を聞きました。
親子げんかをしても、夕飯になると自然と仲直り
すべての画像を見る(全3枚)——みきママさんは料理家だけに、親子のコミュニケーションもやはり料理を通じて取ることが多いのでしょうか。
みきママ:子どもがごはんを食べている間に、お母さんがキッチンの片づけや洗い物をしている…という家はけっこう多いですよね。でも私は、必ず同じタイミングで食卓につくようにしています。子どもがどんな顔をして食べているのかしっかり見ると、子どもの気持ちや状況も分かってくる。わが家の息子はしゃべりたがりで、覚えたギャグを夕飯のときに披露してくれたりするので、食事中の会話はけっこう多いですね。
はる兄:うちの母はちょっとしたギャグでも爆笑してくれるから、話していて楽しい。友達みたいな感覚です。弟もよく母をからかったりするんですけど、それに対して母が張り合ってくる様子もおもしろくて。
みきママ:親子でケンカすることも多いけど、ごはんの時間になると自然と仲直りというか、普通に話すようになるんです。それが食事の力ですよね。怒っていても、お互いにおなかはすくじゃないですか。
はる兄:なにより母は「親だから」というスタンスではなく、同じ目線で話してくれるから。それが僕にとっては楽しいし、心地いいですね。
みきママ:私は今、管理栄養士を目指して大学に通っているので、学校の悩みやグチを聞いてもらうこともありますね。私の大学の同級生たちも、みんな若いのにしっかりしているし、相談するのに年齢は関係ないな、と思います。
食事をつくってくれる光景を含めて「おふくろの味」
——一緒に食卓を囲む中でとくに思い出に残っている、はる兄にとっての“おふくろの味”はありますか?
みきママ:それ、知りたい! ちなみに弟のれんは「みそ汁」って言ってましたね。
はる兄:僕は料理そのものよりも、つくってくれている光景を含めて、「おふくろの味」という感じ。「ごはんできたよー!」と呼ばれて、食事中もあれこれ栄養の説明をしたり、「今日はこんなことがあってさあ〜」と報告してきたり。
いつか母がいなくなったとしても、そういう元気はつらつな母の姿と、一緒にごはんを食べているときの楽しかった思い出がいちばんに残ると思います。
みきママ:やだ、そんなこと言われたら泣いちゃいそう。やっぱり料理をつくることも大事だけど、一緒に食べることも大事なんですよね。
——はる兄が大学に合格するまで、料理以外にもみきママさんはさまざまな形で子どものサポートをしてきたと思います。はる兄が進路に迷ったときは、将来の参考にするために弁護士や医師など幅広い分野で活躍している人にはる兄を会わせたそうですね。
はる兄:それは確実にいい経験になったと思います。やっぱり小中学生のときに直接話せる大人って、親や先生以外にはあまりいないから。いろんな人に会うことで自分の世界を広げることができたし、いつか自分に子どもができたら同じようにしたいですね。
一時期、海外の大学を受験しようと思っていろいろ調べていたんですけど、その際に留学中の人を探して、SNSで自分からコンタクトを取って質問したりできたのは、その経験があったからかもしれません。