ふくだけで除菌や汚れ落としができ、使用後にはトイレに流すことができる「トイレ用掃除シート」はとても便利なお掃除アイテム。このシートの効率的な使い方を知っておくだけで、お掃除がすごくはかどるんです。
掃除研究家でハウスキーピングコーディネーターのおそうじペコさんは、掃除アイテムの使いこなしに定評があります。詳しくお話を聞きました。
使用前にホコリをはらう、水や洗剤を加えない…知っておきたいトイレ用掃除シートのこと
トイレシートは使う順序を意識すると効率よく掃除ができます。ポイントを紹介していきます。
●1.シートを使う前にまずホコリをとりましょう
トイレの中は衣類やトイレットペーパーから出た細かいホコリが降り積もっています。その状態のままふくと、汚れの前に表面のホコリだけがとれてシートもすぐに真っ黒になってしまいます。
ですので、シートを使う前にまずは表面のホコリを軽くふき取ってから使用するようにしましょう。
やわらかいティッシュで便器のフタ、ペーパーホルダーの上、床などホコリが積もりやすい乾いた平面をさっとふき取っておきます。ティッシュの種類や便器によって細かい傷がつくことがあるので、確かめてから使用してください。
やわらかい布やタオルでふいて洗濯する方法もあります。この場合、ひどい汚れのついた場所は不衛生なのでティッシュでふくようにしましょう。
トイレの床は、使用ずみフローリングワイパーのシートを再利用すると便利です。
汚れていないシートの両サイド(赤い点線部分)を内側に折り返すときれいな面が出て、ふき掃除に使用できます。
●2.シートは大判サイズのまま使用しましょう
ミシン目で半分に切り離して使えるデザインのものもありますが、大判サイズのままの使用をおすすめします。厚みがあるのでシートの乾きも遅く、安定感があるのでやぶれにくくなります。
汚れに気づいたときの小掃除や、少しだけ使用したいときに半分サイズを利用するなど使い分けると便利です。
●3.掃除箇所をおおまかに4ブロックにわけます
1枚のシートで掃除が終わるよう、ふき掃除の順番を決めて使用します。基本は「汚れ度が低い→高い」「上から下に向かって」の動きです。
また、シートを四つ折りにして掃除箇所もおおまかに4ブロックに分けると、効率よく、またシートをムダにせず掃除ができます。
たとえば…
・ブロック1(ドアレバー、スイッチ、ペーパーホルダー、タンク周辺など)
・ブロック2(便器のフタ、便座表、便座裏)
・ブロック3(壁、床)
・ブロック4(便器)
といった感じです。
●4.水や洗剤を加えない
洗剤分がたりなくなったり、乾いてきても水分や別の洗剤を加えないようにしましょう。水にほぐれる構造のシートなので、余分な水分が加わると崩れてやぶれやすくなります。また、洗剤の成分も混ざってしまうのでおすすめできません。
フタや流し方など、トイレ掃除で改めて注意しておきたいこと
気軽に使用できる分、意外と気にしていなかった注意点があります。もう一度確認してみると快適に使うことができます。
●1.シートのフタはしっかりパチンと閉めましょう
乾燥しないよう保管するのが上手に使いきるコツ。
忙しいときなどつい保存容器のフタをかぶせるだけにしていませんか? しっかり「パチン」と音がするまで閉めましょう。
また、詰め替えタイプのシートは上からふんわりラップをかけておくと保湿されて乾燥防止になります。
●2.水に流すときは広げてから流しましょう
一度に大量に流すとつまりの原因になってしまいます。トイレットペーパーと一緒に流すなどせず、シートは1枚ずつ流してください。
また使用後のたたんだ状態のまま流すと、固まって水にほぐれにくくなってしまいます。面倒でも少しでも薄くなるよう広げてから流すようにしてください。
下水処理施設内では年に何件か、紙づまり(流せるタイプのシート以外の原因も含む)による不具合が生じているそうです。シートを広げるのが面倒だったり、大量に処分したいときは、燃えるゴミとして廃棄するようにしましょう。
●3.液性と香料などにより使えない便器もあるので確認が必要です
便器の種類によってトイレ用掃除シートが使用できないメーカーがあります。デリケートな素材の便器に使用する場合は、念のためメーカーに確認してから使用してください。
ほんの少しのコツを意識するだけで、効率よく最後までシートを使うことができます。気軽に使えるとても便利なアイテムなので、ぜひ活用してみてください。
またトイレに流した先のことを少しだけ意識して、処分の仕方も工夫してみてくださいね。