「非常食や水をたくさん備えているから、震災が起こっても生活は大丈夫!」と思われている方もいるのではないでしょうか。ところが、宮城在住で東日本大震災を経験したESSEフレンズエディターのかつらさんは「備えていた非常用アイテムのうち、実際に使えたものはごくわずか」と話します。実体験をもとに、本当に使えるアイテムと実際は使わなかったものをレポートします。

本当に使える5つの震災アイテム

使える5つのアイテム
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東日本大震災では、いわゆる「非常用」と名のつくものより、普段使っているものこそ重宝しました。

非常食

震災以前から「非常用」グッズを常備していましたが、普段から使い慣れているものこそ多めに備える必要があると実感しました。本当に使えた5つのアイテムをご紹介します。

 

●食べ慣れている、長期保存可能な食品

震災時アルファ米や保存用パスタなどの災害物資が支給されましたが、味になじみがないため、当時2歳のわが子は食べられませんでした。菓子パン、カップラーメン、カロリーメイトなど、普段から食べているような食品を多めにストックしておく必要がありました。

 

●カセットコンロ

カセットコンロは、煮る、焼く、お湯を沸かすなどのほかにも暖をとるなど、1つでさまざまな用途に使える万能なアイテム。普段から定期的にカセットコンロを使用した料理をして慣れておくと、震災時に抵抗なく使えます。

 

●ドライシャンプー

震災時とはいえ、頭皮のにおいやかゆみは気になるもの。水が不要なのに頭皮の清潔を保てるドライシャンプーは、東日本大震災時に売りきれが続出し、なかなか手に入りませんでした。

 

●シンプルな機能のライト

停電になると夜をどう乗り越えるかが課題になるため、使いやすいライトは老若男女問わず大活躍するグッズ。こちらも操作に慣れていれば、いざというときにも使い方と場所に迷わず活用できます。

 

●ウエットティッシュ

震災時の「手が洗えない」「食器が洗えない」「体がふけない」などの悩みを解消してくれるウエットティッシュ。アルコールタイプとノンアルコールタイプの2種類を備えておくと、生活のさまざまな場面で役に立ちます。

 

普段から意識したい「水&ガソリンの備え」

見落としがちな生活用水とガソリンの備えは、常日頃から習慣にしたいです。

お風呂のため湯

●ペットボトル水&お風呂のため湯

震災時は、飲料水はもちろん飲料水以外の水も貴重。お風呂の「ため湯」を習慣にしておくと、トイレ用などに使えます。ペットボトル水は、家、物置、車などに分散して保管することで、たとえ家屋が壊れても水の確保が可能です。

 

●ガソリン

ガソリンは、買い物や受け入れ可能な病院への受診、子どもを遠方の安全な場所に預けるなど、震災時の生活において明暗を分ける大切な資源。私は震災以降、車のガソリンメーターが半分以下になる前に給油する習慣をつけています。