新年度で生活のリズムが変わり、とたんに忙しくなった人も多いのではないでしょうか。そんななか、日々の家事はなるべく効率化して、家族との時間や仕事に時間をとっておきたいものです。
そこで、ほんの少しのコツで料理の手間が劇的に減り、食材のおいしさがさらにアップするテクニックをご紹介。今すぐ試せる、簡単で便利な裏ワザで上手に手間をカットして、新生活を軽やかにしましょう。
おいしく、時短に! 手間が減る調理の裏ワザ8連発
サイエンスライターの内田麻理香さん、農学博士で東京海洋大学教授の鈴木徹さん、エフシージー総合研究所に教わりました。
(1)肉にキーウィの皮の内側をつけておくとやわらかくなる
すべての画像を見る(全5枚)キーウィにはアクチニジンというタンパク質分解酵素が含まれ、肉のタンパク質を部分的に分解して筋繊維を切断し、やわらかくする作用があります。
「キーウィの皮の果肉部分を内側にして肉につけ、1時間ほどおきます。ポリ袋に入れるか、買ってきたトレーのままつけてラップすればOK」(内田さん)
メロンやパイナップルなどの皮でも同様の効果が期待できます。
(2)レタスは手でちぎると変色せず、味もよい
レタスは包丁で切るより、ちぎった方が変色しにくく、調味料もからみやすくなります。
「刃物を入れることで出る酸化酵素がレタスのポリフェノールと反応し、切り口が黒ずみます」(エフシージー総合研究所)
(3)パスタは水につけおきしてゆでると30秒でもちもち食感に!
パスタは、水につけてからゆでると、生パスタのようなもちもちの食感になります。
「時間をかけてつけることで、乾麺の中にしっかり水が浸透。1.6mmのスパゲッティーニの場合、3時間のつけおきで、ゆで時間は30秒~1分ほど。もちもちにゆで上がります」(内田さん)
ゆで時間も省略できるので、パスタを食べるときは前もって水につけておけば、時短に。
3時間つけおいたものは30秒のゆで時間でもちもちに! ちなみに、1時間のつけおきでも、ゆで時間3分でちょうどよいかたさになり、時短調理に。
(4)グリーンアスパラは、立てて保存すると鮮度が損なわれない
グリーンアスパラは買ってすぐ食べるのが理想ですが、冷蔵庫で保存する場合は、カットして口をテープでとめたペットボトルなどに穂先が上にくるように立てて。
「冷蔵庫で野菜を保存するとき、ほとんどの場合、向きは関係ありませんが、グリーンアスパラは例外。生命力が強く、横にすると上に伸びようとして栄養分を使い、味も落ちます」(エフシージー総合研究所)
(5)スパイス類は冷凍するとあけたての風味が保たれる
すぐに使いきらないチューブタイプのショウガやワサビなどの薬味、七味や山椒などのスパイス類、ドライハーブなどは、冷凍がおすすめ。
「スパイスなどに含まれる香り分子は冷凍すると安定するため、開封後も独特の香りを長く保つことができます。完全に凍らないため、解凍せず必要な分だけそのまま使え、また冷凍すればよいので手軽です」(鈴木さん)
(6)卵はとがった方を下にしておくと鮮度キープに
生卵は、とがった方を下に、丸みのある方を上にして保存するのが正解。
「卵の丸みのある方には、“気室”という空洞があります。卵はここに空気をためて呼吸しているため、気室を上にしておけば、空気を取り込みやすくなり、長もちします」(エフシージー総合研究所)
(7)インスタントコーヒーは水で溶いてからお湯を注ぐとひきたての味に
手軽なインスタントコーヒーも、あるコツで風味が格段にアップするんです。それは、お湯を注ぐ前に、まず少量の水で溶かすこと。
「水で溶くことで粉っぽさや雑味がなくなり、マイルドな味わいに」(内田さん)
カップにインスタントコーヒーを入れたあと、スプーン1杯ほどの水を加え、練り溶かしてからお湯を注げば、ひきたてのようなおいしさに!
(8)冷凍ご飯は、レンチン2回で炊きたてみたいなふっくら感に
霜がつくのを防ぐために、炊きたてのご飯は米粒の間に隙間ができないように、ぎっしり詰めて冷凍するのが原則。でも、そのまま解凍すると、かたまりのまま、うまくほぐれないことも。
「これは、一気にあつあつに加熱すると、米粒同士が固まってくっついてしまうため。一度電子レンジでまだ冷たい程度まで解凍してから、しっかりほぐして、再度電子レンジにかけると、炊きたてのようなふっくらとした仕上がりになります」(鈴木さん)
(左)ラップに包んだまま一気にあつあつに加熱すると、米同士がくっついて固まる
(右)半解凍してから、ご飯を茶碗にほぐし入れて再度加熱すれば、ふっくら!
別冊エッセ
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